現在をうろうろ(179)

 ちょっと、放射線について(2)

 さて、X線とガンマー線は同じ電磁波ですが発生機構が違うための区別ですね。X線は、ドイツで活躍したヴィルヘルム・レントゲンが発見する電磁波ですが、ガンマー線はフランスのポール・ヴィラールがウランから放出される電荷を持たない放射線を見出すことから始まります。

 まずX線は・・・真空放電や陰極線の研究の中で見出されていきます。真空放電は真空に近い管の中に高電圧をかけると管の中の気体がイオンに化けて電気を流すようになり、絶縁が破壊されて電流が流れます。前回、電気を考えたくないって言ったのはこのあたりの事情によるもので・・・単純な電子の流れとも言いにくいのでね・・・真空放電では電子の流れはあって、電流が流れますが、電子が移動した、電子によってイオンができたりそういった中を、電子が渡り歩いていくのでね・・・誰か良い説明を考えてくれないかな?なんって思うわけです。

 さて、X線の方はこの真空放電の中から見出されます。レントゲンは陰極線に関しては先行した研究者のフィリップ・レーナルトから多くを得ています。真空にした管の中に発生させた陰極線を空気中に取り出すための仕組みを考え、その真空にした管をレーナルト管と呼びますが、真空放電間の一端に陰極線を外に出すための金属の薄い窓を開いたものです。これによって、陰極線が電子の流れである事が分かってきます。レントゲンの方は、このレーナルト管を手に入れて実験を開始しますが・・・その中で、ひょんなころからX線を見出すわけです。ある日、レーナルト管より旧式な、箱に覆われたクルックス管に電源を入れると・・・そこいらにあった蛍光板に影ができている事に気付きます。まわりにはその様な影を作るものが無いのに・・・そこで気付いたのが・・・クルックス管が光のようなものを発している・・・既知のものではない・・・なんだろな?ってね。

 ちょっとの研究で、その性質は色々と分かって、手のレントゲン写真って分かりやすい成果を掲げて、2ヶ月後にはネーチャーに、翌月にはサイエンスに発表され、仮の名のX線が広く知られるようになります。

 さて、X線の発生のメカニズムは・・・これは、電子の流れが、物質にぶち当たると・・・原子を構成している電子に当たり、エネルギーを得た電子が外の軌道に移動するときに、非常に短い波長の電磁波が生じるというものです。電子の移動距離が、短いのでね・・・そして、物質によってその軌道が決まっているので、決まった波長のX線が出てくるというわけです。こういった発生機構によって発生した、物質によって特徴的なX線を、特に特性X線って呼んでます・・・多分・・・受け売りなんでね・・・

 雰囲気は、軌道と軌道の間の距離が音叉の長さのようなもので、音叉はどんな風に叩かれようとも、同じ高さの音しか出てこないのと同じように、外から与えられたエネルギーがどのようなものでも、決まった距離を電子が移動するために同じ波長のX線が出てくるって考えればよいのかな・・・多分ね・・・

 どうも、レントゲンは内気な人だったようで・・・レーナルトからレーナルト管を手に入れた事に対する謝辞を入れなかったんで・・・いじめにあったようですが・・・科学の発展は万民に寄与すると考えていましたね。そのためX線に関する特許は取得しませんでした・・・まあ、多くの人の研究の上に成り立った拾い物のように感じたのかもしれませんがね。

 さて、X線の発生メカニズムはとりあえずOKですね。次は、ガンマー線ですね。α・β・γのγ線です。安易なネーミングの・・・

 さてこのガンマー線は、名前の通り、アルファー線やベータ線に続いて発見されたものです。一応、系統からしてアルファー線から始める事にしましょう。このアルファー線とベータ線は、高校の教師になりそこねたアーネスト・ラザフォードのウランの研究から見出されたものです。なんで試験に何回も落ちて高校の先生になりそこねたのか?気になるんですが・・・とにかく、ウランの研究からですね。当時ウランの研究は流行っていて、その中でウランから出る放射線が着目されていて・・・ラザフォードは、とにかく物を通り抜ける力の弱いものと、物を通り抜ける力の強いものの2種類がある事に気付きます。そして、それが、電荷を持つことに気付き、+の電気を帯びた粒子をアルファー粒子、その粒子の流れをアルファー線、−の電気を帯びた粒子のをベータ粒子、その粒子の流れをベータ線と名付けます。それに続いてフランスのポール・ヴィラールがウランから放出される電荷を持たない放射線を見出して、報告し、ラザフォードがガンマー線と名付けます。電荷を持たないので、粒子の流れではなく電磁波だと判断されたようですね。

 アルファー粒子の方は集める事ができたので、こいつを放電管の中に導いて発光させて分光分析にかけると・・・ヘリウムと同じ分光特性をもち、ヘリウムの原子核である事が推測され、決定されます。ベータ線の方はなかなか厄介で・・・というより、陰極線と同じ性質を持つので・・・ベクレルによる先行研究があって、ウランから放出される放射線の一部として、磁場によって曲げられ、曲がる方向は陰極線と同じである事が知られていました。この事は、同時代の多くの学者が独自に見出していました・・・ただ、陰極線に比べると、そのベータ線の速度が速くて・・・違うもののように見えていたようですが、ベクレルやトムソンなどが別々に陰極線の粒子やベータ粒子の質量や電荷比などを測定して、同じ物であることが分かり、やがて、これが電子という粒子の流れと把握されるようになります。

 そして、ガンマー線はその性質によりX線と同じものではないかと考えたのですが、それが証明されるのは名づけられてから11年後に、ガンマー線を結晶にぶち当てて、それによって現れる回折像が、その数年前にX線で作られた回折像との比較でガンマー線の波長が普通に使うX線より短いことが分かって電磁波であることが証明される事になります。

 発生のメカニズムの違いは、X線は原子核の周りの電子が軌道を移る時に発生する波長の短い電磁波で、ガンマー線は原子核という小さなものの中での電荷の変動によって発生するX線ぐらいかX線よりも波長の短い電磁波という事なのでしょう。・・・このあたりから先になると、ちょっと説明が面度なんでね・・・実はよく理解していない・・・だから、お勉強!なんです。

 さて、これで電磁波の系統の方は一通り説明できたかな?次は、粒子線ですね。ただ、粒子線は、半分ぐらい説明したような気がしますが・・・次回は粒子線について、お勉強しますか・・・

2014.06.03

  

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