現在をうろうろ(1364)
日本貧窮者経済新聞
 タネフルートを買い込んだよ〜!

 また、フルートをいじっているんですが・・・貧乏なので安物フルートへのシフトですね。このところいじりまわしてるのは洋銀にニッケルメッキの古いフルートです。まあ、それなりに良い良い音がしますから面白いのですが・・・どうなのだか?半分自己満足ってのがありますしね・・・そもそも、ジャンクですから・・・音が出ないような楽器ですからね・・・

 さて、頑張ってオーバーホールして、お気に入りとなったのが・・・タネフルートなんです。型番不明・・・総洋銀製、で巻管、ソルダードのトーンホール・・・こいつが総銀製だったらさぞやお高いのだろうと思う仕様の製品ですね。多分、ソルダードも引き上げでも音は変わらないというか、比較する意味は無いような気がします。フルートは同じメーカーの同じ型番のものでも、歌口の削り方で違った音が出るような商品だとされていますからね。楽器屋で試奏して買うような商品・・・同じ型番でどれも音が同じだと信じられるほどのものであるなら、作りによる違いを論ずる必要もありますが、どうやらフルートというのは、個体差が大きく、また・・・奏者の健康状態などでも音が変化するという楽器のようですからね。

 確かに、起き抜けの寝ぼけ眼でフルートを吹いても良い音が出ないのからすると・・・どうやら、奏者の唇の弾性や、それを念頭に置いての奏者のテクニックなど・・・色々な要素で音が変化するものであるという感じですからね・・・従って、近頃は、素材や銘柄や、新品時の販売価格などはあまりこだわらないようになってしまいましたね。

 ただ、とりあえずリファレンスとして・・・ムラマツの大昔のスタンダードは出してあります。それと・・・例のコタケフルート・・・



 こいつですね。一応ケースもあるんですが・・・これは、プラスチックのフルートとともに、PCの脇に常に立てかけてあるんでね。このフルートは、サビサビで・・・これ以上悪くならないぞという状態から遊びで音が出る状態にしたものですが・・・結構音が良いのでね。最近分かったことは、このフルートは結構息の量が必要で鳴らし切るには横隔膜がかなり鍛えられていないといけないのではないかと・・・歌口が丸いやつはなんとなく、大量の息を使って音を出さなければならないという気がしてきました。ムラマツやヤマハは少ない息でも大きな音がしますがね。というより、新しいフルートは息の音への変換効率が良いようです。ジュピターなんかずば抜けてよい気がしますね・・・

 実は、オークションで安物狙いをしているのは、これと同じような遊びができるフルートを探しているのですが・・・ここまで状況が悪いフルートは出てこなくてね・・・今いじりまわしているタネフルートは・・・各所に凹みや傷が多いです。Bbのキーの動きが悪く、押して離した後の戻りが鈍いです。という代物ですね。もちろんジャンク・・・結構ベコべコ・・・B♭のキーを気にしましたが、私の所に来たときはB♭はちゃんと戻るのですが・・・Fの戻りが悪くなっていました・・・

 どうやら、どこかが摩耗しているらしいことがわかりましたが、まあ演奏不能というわけではないものでした。ただ、音が出にくいキーがあったりしましたけどね・・・非常に大切に長期間使われてきた楽器であるという感じですね・・・メッキはところどころはがれていましたが・・・まあ、汚い楽器ではないし・・・タンポは・・・かつては良い調整が為された跡がありましたね。鉛筆か何かでタンポの表面に印があって・・・きちんと調整された跡がね。

 ただ、このフルート・・・出荷されてからタンポなどの調整が行われたかどうかは不明ですね。1度くらいは行われたのかもしれませんが・・・理由は・・・キイが変なんです・・・演奏者のくせでこうなったとは考えにくい・・・キイが傾いている・・・しかも全般的に・・・これって・・・私が調整すると、力技で水平を出しちゃいますからね・・・確かに、この傾きでは力技で補正しなくても、指の力技で音は出ますから・・・でもね・・・私の場合だと最低音まで軽く出てくれないと・・・下手なんでね・・・私の所に来たときは確かに出にくいけど一応最低音まで出ましたからね・・・なかなか微妙なフルート・・・

 Fキイの戻りが悪い・・・出品者はB♭・・・輸送中の振動で入れ替わったというか・・・一通り動作確認して給油したら・・・入れ替わったというか・・・結論は・・・左の写真の、矢印部分の問題でした。あちこち摩耗して矢印部分がこすれるようになったという事ですね。この部分であることを確かめるのに、まずは給油で状況が悪くなり、次に脱脂の後で、この部分に鉛筆の芯をこすりつけてやや改善されたので・・・やすりの出番となったわけです。

 液体の潤滑油と、固体の潤滑剤の違いってのがね・・・なかなか面倒です。油を点すことで動きが悪くなる場合は微妙ですね・・・これで不具合は解消です。

 しかしね・・・タンポが・・・触れると粉になるは大げさですがハンドクリームでも柔軟性を取り戻せない状況に至っていました・・・幸い虫損は無いので、ばらしてタンポからスキンをはがして、例のスーパーのレジでキャベツを入れてもらってきた薄い袋をスキンに・・・張り替えて・・・最初は2か所だけがいつの間にか、全て張り替える事になりましたが・・・まあ、とにかくきっちり音が出るようになりました。

 ただね・・・タネフルートは名器といわれるようですが・・・なんだかね。音は悪くないですね、普通に良い音が出ますね。他のフルートに比べると高次の倍音成分が多いような・・・確かに印象的な音ですね。また、お気に入りが増えましたが・・・この音の違いは何なのやら?歌口の形状は表面的には右のような形をしています。コタケフルートもこれに類似の形状ですね。

 ただ、大きな違いはアンダーカットが左右が深いかなという感じですね。吹いていると、どうもキイタッチがよろしくない、というか・・・タンポの当りが良くないことに気付きます。理由は・・・タンポを収める皿の部分が全般的に傾いていますね。ほんのわずかに・・・タンポの柔軟性で収まる範囲ですが・・・最低音のCやC#なども同じ傾向にありますから、このキイカップを組み立てる際に使った治具の傾きなのか?ちょっと気になりますね。

 まあ、別に吹けないわけじゃないですが軽く押さえてきちんと音が出る状態が好きなんでね・・・最低限の力で全閉のフルートの方が確かに良い音がしますからね。結局は、ヘラを入れて力技での修正を加えてOK・・・今回はやすりとか力技系が多いな・・・

 わかったことは・・・このフルートの個体の問題かもしれませんが・・・どうもね・・・キイごとに必要とされるタンポの厚さが違う・・・というより、このフルートに要求されているタンポの厚さが標準的なものより薄いようですね。とにかく調整が面倒なフルートですね。今までのフルートの中では最も調整が難しいというより、時間がかかりました。単に私の調整の仕方があまりシステマチックでないだけなのかもしれませんが・・・遊びですからね・・・やはりタンポを作り直すかね?薄手のタンポを製造して・・・アームの修正よりは楽ですからね・・・

 このフルートの特徴は・・・キイカップのくぼみですかね。構えると、リングキイのフルートと同じように感じますから・・・左の写真でわかるかな・・・?

 キイカップのくぼみのエッジがかなりはっきりと立っているのでね。これで、構えた時の感じが、他のクローズドキイのフルートとは違うという感じですね。まあ、私の所じゃ混在しているので、あまり関係ないですが・・・薄暗いところで適当につかんで吹いて・・・このフルートは何だ?とかやってるんでね。

 ああ、だんだんこのフルートの音が・・・というか、他のフルートもですが・・・吹き比べているうちにどれも似た音へと変わってきますね。ただ、やはりこのフルートは高次倍音の雰囲気が違いますね。弱いはずの小さな音の明瞭度が良いというか・・・とか言いながら、別のフルートと吹き比べていると・・・他のフルートでもその手の音が良くなって来るし・・・

 どうも、私という実験動物が変化しているという事ですかね?困ったものだ・・・少なくとも横隔膜は随分と鍛えられてきたようで、以前に比べると随分と長く吹いていられるようになりましたね。

 このフルート、大きなへこみは直したし・・・気が向いたらもう少し細かなへこみも取って綺麗にしてやるかね・・・

2015.11.21

  

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