現在をうろうろ(1192)
日本貧窮者経済新聞
 フルートと消耗品のタンポと・・・?

 なんだか、フルートのタンポの気密に関する知見が・・・私の中で変化してきましたね・・・なんとなく、タンポのスキンのしなやかさが気になってきました。例の、スーパーのレジのところで・・・水気のある野菜や肉・魚などを入れてくれる薄くしなやかな袋・・・こいつを豚や羊の腸から作ったスキン、場合によっては魚の浮袋の薄膜から作るスキン・・・こいつを眺めていてですね。

 古くてしなやかさを失ったスキンも、その形状から・・・押し跡がきちんとついていますから、形状が正しければ気密は保たれるはずですが・・・しなやかさの失われたスキンと、ハンドクリームでしなやかさを回復させたスキンでは、気密の状態が違うのが気になります。しなやかさが大きく気密に違いが出るのかのテストをしてみました。

 ムラマツのスタンダードのタンポの調子は余り良くないのでね・・・色がかなり白っぽくなっている・・・脱脂の度合いがかなり高くなっていると判断・・・ルーペで見ると、表面の繊維の浮き上がりが大きく・・・分解への道をかなり歩んでいることがわかります。

 タンポも一般的な皮革製品と同じであれば、明らかに油切れの状態ですね・・・油切れが、革製品を分解への道を早めるというか・・・強度の低下が起こりますね。しなやかさが失われ、破断が起こる・・・繊維の絡みつきは、油分があることで強くなる・・・例の油紙とかね。油を含浸させることで強度を上げることができる・・・逆に言えば、油分が抜けることで強度が下がり、しなやかさも失われる・・・

 というわけで、分解してタンポのしなやかさを復活させてやるために・・・ハンドクリームを塗らねば・・・分解するのにムラマツは結構面倒なんです。遊びが小さいのでね。シャフトを抜くのに針バネを掛けたままでは抜きにくい・・・抜けないことは無いですがね・・・指で押さえつけて抜くことができますが、面倒ですね。

 気に入らないのは、左の2つの赤丸の部分の違いですかね。たぶん、機能的に言えば差は無いですが、このシャフトを抜く時の差がね。下の奴は支えがあるので抜きやすい。上のは支えが無いので抜きにくいというわけです。たぶん、長さと、働く力からすると、シャフトのたわみは100分の1mm以下でしょうがね。抜きにくいということはおもしろくない・・・慣れれば大したことは無いですがね。ただ、抜く時に力が必要であるということは、抜く時に余計な力があちこちに働くということになりますかね。やはり、基本はパーツごとに支える方が良さそうな気がします。その方が動きが明確ですからね。

 赤丸をつけた上のポストは支える役目を持ちませんが、ばねを支える働きがあるので下の部分をなくすわけにはいかないのでね。

 ほかにもいくつか似たような場所がありますね。まあ、Eメカの部分は上の赤丸のところのように、支えを持たないので気にすることは無いが・・・なんとなくね。一応は、完全にキイは分解して外して・・・セオリー通りに・・・

 裏のG♯をばらすときに少し悩みました。まあ、押さえつけて抜きましたが・・・ばねは組まれた状態で手前にあるので、キイを支えてシャフトを抜きましたが・・・組むときに、バネを掛けたまま支えてシャフトを組むのがかなり困難・・・遊びがないのでね。それは後の事ですが・・・

 一応、バラバラにしてタンポの表面を眺めて・・・ハンドクリームを薄く塗って・・・裏のG#を組むのですが・・・シャフトは入りにくいですね。慣れればOKなのでしょうが・・・しかし、頑張って針バネを掛けたままで組んだんですが・・・針バネが掛かっていない、というか、バネが短くなっている?・・・この針バネはどうやら抜けるけど抜けない・・・上手くできていることに気づきました。しかし、遊びの小さい機構は扱いが面倒です。

 まあ、いずれにせよ・・・すべてのタンポに薄くハンドクリームを塗って組み込んだわけです。しなやかさは大きく向上したはずです。この程度では、音やキイの反応に違いが出そうにないのですが・・・結果は・・・全閉にするのに力が要らない・・・時間とともに、レスポンスが向上しますね。新品を組み込んだときに近くなる・・・タンポのフエルトはすでに変形していてぴったりと合う形になっている。スキンのしなやかさの向上がある・・・

 例のしなやかな極めて薄いスキンは・・・事実上無調整でちゃんと働いた・・・今回もしなやかさを取り戻しただけで調子が良い・・・共通点は・・・何しろ、例の肉や野菜の袋のスキンは、しわ伸ばしすらしていなくて調子が良い・・・厚さのデータからすると、確かに、指紋の溝の凸凹程度の皴ですから・・・特に問題は無いはず・・・指紋の厚さで問題が出るならリングキイは存在できない・・・

 さて・・・そうなると、どんな風に表面のスキンが気密を保っているのか?しなやかさが増すことで閉鎖性が高まっているとなれば・・・単に、押し付けることで閉鎖されているのではなさそうですね。しなやかさが鍵か・・・そうなると・・・キイが押されてタンポがトーンホールに押し付けられ、トーンホールの中からの圧が働いて・・・キイタンポのスキンの表面がしなやかならば・・・スキンの表面は波打つようにして・・・トーンホールへ押しやられて脇からも抑え込むことで気密が保たれる・・・ということかね?スキンの柔らかさが利くとすれば・・・こんな感じですかね?そうなると・・・油切れで、紙みたいなバリバリになったスキンでは気密を保ちにくい・・・単なる形状による気密だけでは良くないということになるのかと・・・

 結論としては・・・私のように貧乏でなければ、タンポは消耗品と心得て・・・2・3年ごとにタンポの全交換・・・私のところの安物フルートが新品で買えるお値段ですね・・・しかし、ちょっと分解整備をしましたが・・・結果は、悪くない・・・フェザータッチですからね。

 だいぶメカニズムの理解も進んだし・・・ついでに、パーツを外した主管も水洗いしたし・・・きれいになりましたね。しかし、ほとんど見かけは同じフルートですが・・・それぞれ・・・いろいろと分解プロセスにも差があるし・・・面倒な物です。イタリア製のフルートなどびっくりでしたからね・・・どうしてってね・・・そのうち分解したら紹介しましょう。

 左の赤丸の部分ですね。上の奴はイタリア製で、ポストを貫通しているが、下は一般的な物で、写真はムラマツのスタンダード・・・下から添えられているだけですね。

 下の奴は両側のニードルピンを緩めて上に引き上げれば外れるのですが・・・上の奴は、ニードルピンはねじになっているのが左側、頭部管側の物だけで、右側の足部管側の物はねじではなく、ポストに固定部品としてのニードルピンがあるだけで・・・頭の中では分解不能・・・なんですね。悩んだ上に・・・あれ?取れちゃった・・・一瞬青くなりましたね。

 気づけは簡単・・・ポストが抜けるんですね・・・ありえない・・・取れちゃった・・・いろいろと工夫があるというわけです。いずれにせよ、タンポの給脂は分解が必要な感じですが・・・まあ、できないことは無いですが・・・そのうち工夫してみましょう。

 とにかく一度分解整備をしたので、ムラマツのスタンダードも格段に美しくなりましたね。細かな傷がありますが・・・銀は柔らかいので傷が入るのは仕方ないですが・・・やはり、固い洋銀とは扱いを変えないといけないですね。さすがに、柔らかい銀のフルートに指輪とかはめるわけにはいかないね・・・しかし、スタンダードとM-180では頭部管の設計が違うのはなぜ?どちらも銀の管体でキイが違うだけなのに?

 ヘッドクラウンも・・・左の写真で左がM-180、右がスタンダードですからねヘッドクラウンの重さが変わると、フルート自体の重心位置が変化するため、構に変化が出るから、フルートの物理的な特性の変化より、構に変化が出るために音が変わるようです。そもそも頭部管の太さがM-180とスタンダードで大きく違う・・・右のようにスタンダードは細いので14号のリングが中ほどまで入りますが、M-180では15号のリングが入らないのでね。

 プラスチックのゲージじゃないと、気を付けないと傷が入りますよ・・・銀はクロームメッキなどより柔らかいから・・・注意が必要です。洋銀はかなり固いね。

 こんな具合に、物理的な形状が異なるものを比較して、キイが銀だから音がどうとか、語ることは不可能であることはわかりますね。

 銀と洋銀では・・・どうやら、高次の倍音成分が減衰しない洋銀の音の方が好ましい気がしてきたし・・・総洋銀のフルートもリッププレートにマニキュアを塗れば金属の味がしなくなることも分かったし・・・

2015.08.31

  

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