現在をうろうろ(118)

 安全保障の法的基盤の再構築は? その1

 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書が遅れていますね。これって何?だって最初の予定とは違うという事は、大きな変更が起こった事を意味するのではないかと・・・原因は、欧州で何かあったと考えるのが普通でしょうね。

 政府の基本的な方向は既に発表があったような気がして・・・事例を上げて説明するというものが付け加わったのはいつだったかな?確かイギリスだかどこかでの話だったのでは?やはり、欧州でいじめにあったかな?

 出かける時とずいぶんと論調が変わってきたような気がします。安倍総理大臣から、どういう方向性が示されるか定かではない・・・定かだったから、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書が提出されるのではないかと・・・その可否の内容で、基本的には可とするための方策が示されるものであると妄想するのでね。残念なことに、今日14日から韓国へ遊びに行くので、あまり凄い内容だと、無事に帰れるのか気になるというわけです。何しろ離島の奪還訓練とかありますから。連動してきそうな感じなので、ちょっと気にしているわけです。

 まあ、対決型ってのは人気取りには都合の良いものですが・・・離反が始まると早いですから・・・弱腰と見られたらおしまいなのでね。あれだけ元気だったのに、なんだ腰砕けか・・・などの話になってしまいます。この後は・・・より強硬なものが出るか、ソフトなものになるかの2通りですね。

 とにかく、4月29日の時点では・・・欧州は世界の世論形成、秩序づくりに大きな影響力を持っている。日本の成長戦略や積極的平和主義を発信したい・・・という話でしたね。

 そういえば・・・国家安全保障戦略について 平成25年12月17日 国家安全保障会議決定 閣議決定 というのがありましたね。これは・・・国防の基本方針 昭和32年5月20日国防会議決定 昭和32年5月20日閣議決定 ・・・現在議論されているものは、以下の内容のものの代わりとなるものですね。

 国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し、もって民主主義を基調とするわが国の独立と平和を守ることにある。この目的を達成するための基本方針を次のとおり定める。
(1)国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。
(2)民生を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。
(3)国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する。
(4)外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。

 シンプルなものです・・・これに対して平成25年度版の国家安全保障戦略は・・・えらく長文です。一応読みましたが・・・一通り吟味してみますかね。青字が原文で黒字または赤字でチェックを入れて行くことにしましょう。これの検討で何日かかるか・・・国境離島の保全、管理及び振興のあり方に関する有識者懇談会 配布資料

 国家安全保障戦略

T 策定の趣旨
 政府の最も重要な責務は、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすることである。我が国の安全保障(以下「国家安全保障」という。)をめぐる環境が一層厳しさを増している中、豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、国際社会の中で我が国の進むべき針路を定め、国家安全保障のための方策に政府全体として取り組んでいく必要がある。


 我が国の国益・・・この言葉は嫌いですね。なんとなく利己的に見える・・・平等を旨とする国際社会での立場として、国益を振りかざしての国防論はあまり感心したものではないような気がします。

 我が国は、これまでも、地域及び世界の平和と安定及び繁栄に貢献してきた。グローバル化が進む世界において、我が国は、国際社会における主要なプレーヤーとして、これまで以上に積極的な役割を果たしていくべきである。

 国際社会における主要なプレーヤとなるためには、国益第一主義ではなく、国際社会で自己の利益を越えた公益を優先するぐらいの度量がなければ、多くの国をまとめるための求心力は生まれないような気がします。二言目には国益か・・・結局国益しか考えていないじゃないかと言われかねません。

 このような認識に基づき、国家安全保障に関する基本方針を示すため、ここに国家安全保障戦略を策定する。

 
このような認識の内容は、 国際社会に於いて名誉ある地位につく為には という認識としておきましょう。・・・我が国の国益を長期的視点から見定めた上で・・・って長期的な国益を最優先として考える日本としての認識ではマズイですからね。正直と言えば正直だが・・・

 本戦略では、まず、我が国の平和国家としての歩みと、我が国が掲げるべき理念である、国際協調主義に基づく積極的平和主義を明らかにし、国益について検証し、国家安全保障の目標を示す。その上で、我が国を取り巻く安全保障環境の動向を見通し、我が国が直面する国家安全保障上の課題を特定する。そして、そのような課題を克服し、目標を達成するためには、我が国が有する多様な資源を有効に活用し、総合的な施策を推進するとともに、国家安全保障を支える国内基盤の強化と内外における理解の促進を図りつつ、様々なレベルにおける取組を多層的かつ協調的に推進することが必要との認識の下、我が国がとるべき外交政策及び防衛政策を中心とした国家安全保障上の戦略的アプローチを示している。
 また、本戦略は、国家安全保障に関する基本方針として、海洋、宇宙、サイバー、政府開発援助(ODA)、エネルギー等国家安全保障に関連する分野の政策に指針を与えるものである。


 平和国家って断る必要は無いでしょう・・・戦争国家ってのは無いことになっていると思われます。さて、明らかにされる積極的平和主義が楽しみな文です。・・・また国益の語が出てきた・・・そして意味の空虚な語の羅列にしか思えないものが並びます。環境の動向・課題の特定・目標の達成・有効な活用・施策の推進・基盤の強化・理解の促進・多層的かつ協調的に推進・・・何を示しているか不明・・・やりたい事は、海洋、宇宙、サイバー、政府開発援助(ODA)、エネルギー等国家安全保障という事ですね。この事について頑張って考えるという事のようです。あまり空虚な言葉を並べて立派にしても、内容が無いことが分かるとがっかりします。文章はシンプルに!

 政府は、本戦略に基づき、国家安全保障会議(NSC)の司令塔機能の下、政治の強力なリーダーシップにより、政府全体として、国家安全保障政策を一層戦略的かつ体系的なものとして実施していく。

 政治の強力なリーダーシップか・・・一応、民主国家で文民統制の原則だから軍主導のわけは無いですね。この文は責任の所在を明らかにするように書かれた方が分かりやすいような?・・・内閣総理大臣を議長とし、官房長官・外相・防衛相から成る四大臣会合を中核とする国家安全保障会議を司令塔として、国家安全保障政策を実施する。・・・これだけで良いのでは?まさか、総理大臣の責任をぼかすために置かれた不思議な文なのか?気になります。ふつう、強力なとかの言葉が入ると責任者が抜けるというのが日本語の特質のような気がします。

 さらに、国の他の諸施策の実施に当たっては、本戦略を踏まえ、外交力、防衛力等が全体としてその機能を円滑かつ十全に発揮できるよう、国家安全保障上の観点を十分に考慮するものとする。

 また内容の無い文ですかね。なんとなく・・・国家安全保障を最優先に考えたかったのではないかと・・・当たり前のことが書かれていますから。多分・・・国家安全保障の配慮の無い国の施策は認めたくなかった・・・国益中心の考えを補強する文言がソフトになったものではないかと、私は妄想します。

 本戦略の内容は、おおむね10年程度の期間を念頭に置いたものであり、各種政策の実施過程を通じ、NSCにおいて、定期的に体系的な評価を行い、適時適切にこれを発展させていくこととし、情勢に重要な変化が見込まれる場合には、その時点における安全保障環境を勘案し検討を行い、必要な修正を行う。

 これまた、当たり前の事ですね。昭和32年の(3)に相当する内容ですね。文章としては昔の方が分かりやすい・・・ここで一旦切って、国家安全保障の基本理念といきましょう。

2014.05.14

  

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