フルートの下地まで処理して鏡面加工をしてみるか・・・？

現在をうろうろ（1111）

　フルートの下地まで処理して鏡面加工をしてみるか・・・？

　新たなフルートがやって来たので、またちょっと気合を入れて吹いて遊んでいます。・・・拭いて遊んでいる部分も多くなりましたね。新しく来たムラマツのM-120は指のあたる部分の金属の肌が荒れているのがちょっと問題ですが、この部分は軽く磨いてぴかぴかにしたのでOK、他の部分は研磨剤をつけた布で軽く磨いて曇りを少し取ってやりましたが・・・なんとなく、本気で磨きたくなりました・・・よく考えると、私の所のヤマハのYFL-211や大昔のムラマツも鍍金仕様ではないんですね・・・金属の地を磨いて鏡面になっていたはずなんです。

　ヤマハの211は凄い状態でしたからね・・・わずかに緑がかった灰色の粉をふいていて金属とは思わないような感じ・・・これでしたから、タンポの全交換をするとき、軽く磨きましたが、下地処理を含む鏡面処理まではしないで上っ面だけ磨いただけでした・・・大昔のムラマツは、とりあえず金属光沢はありましたから、そのまま使っていました・・・でも、近頃の鍍金の新品などよりもくすんでいましたからね・・・というわけで・・・小型のちょっとパワーのあるリューターにフエルトバフをつけて、青棒を引っ張り出して研磨する事にしました。

　ヤマハの211のリッププレートで先ずは試です・・・このリッププレートも微妙に曇っていて・・・味が宜しくないのでね。磨けばあの美味しくない味が消えるはず・・・もっと前にやるべきだと・・・

　結果は、かなり綺麗になりましたが・・・やはり腐食がかなりありますね。青棒で磨き上げるにはちょっと深い傷もあるし・・・本気でやるとなると・・・手持ちの耐水ペーパーが無くて・・・2000番のやつの切れ端が流しの石鹸入れに入っているのを思い出して・・・軽く研削してみましたが、８００番程度でないとちょっと腐食による肌荒れは取れそうもないのですが・・・うるさい事を言わなければ、ほぼ新品に近い状態になる事が確認できました。

　小さなへこみもきちんと取るかどうかの問題ですね。一応道具立てがそろっている・・・昔々彫金もやっていたんで・・・基本的な知識と道具はある程度揃っているというわけでね・・・ムラマツのM-120をムラマツでリペアしてもらうと・・・消耗品の全交換と全体をバフで磨いてもらって・・・\80,000 ～\110,000・・・このオーバーホールCに加え、凹出し、キズ取りを行い、全体を磨いて、機能面、外観ともに新品に近い状態に再生します。・・・\115,000 ～か・・・いま、ヤマハの211やオールドムラマツで私がやろうとしている事は10万円コースか・・・2本で20万・・・3本・・・30万円・・・こりゃ、調整と外見をかなりぴかぴかにする技術を手に入れるのは良いかもしれませんね。

　貧乏なので、自分でメンテナンスするしかない・・・1本当たりの磨きのコストは・・・耐水ペーパー4枚ほどと青棒はちょっと減るだけ・・・バフが・・・リューター用の軸付きのバフでは効率が悪いね・・・両頭のグラインダーは前は持っていたが、現在は所有していないから、こいつは買った方が良い、バフをつけて・・・初期投資は新規に1万円ほどで・・・死ぬまで使えそうですから・・・消耗品は耐水ペーパーと青棒とで・・・1000円分ほどですかね？水研ぎにかかる時間がどのくらいかで作業時間が決まるのか・・・あとは、へこみ直し・・・

　一応、昔々のムラマツの足管部を分解して、管とバネがついている状態にしてリューターでバフがけをしてみました・・・結果は、これでも悪くない・・・バネ先を指で支えて避けながら磨いてもそこそこの所まで磨ける・・・一通り鏡面になってぱっと見た目には、透き通った金属光沢になりますからね・・・ただ、リューターでのバフがけは難しいですね。昔、銀を加工してそれを、今回と同じようにリューターで磨いていましたが、角などでリューターの先が弾かれたりして、新しい傷を作ったりするのを気にしながらの作業は嫌ですからね・・・傷を入れれば水研ぎへ逆戻りになりますから・・・

　まあ、ゆっくりやればOKですかね・・・とりあえず、水研ぎなしでもそれほど肌が荒れているのを気にしないで、光ればOK位なら・・・分解して管を洗剤で洗って気になる傷だけ軽くペーパーでさらって・・・拭いてバフがけすれば良さそうな感じです。

　ペーパーで下地を調整しないでどの程度光らせられるか昔々のムラマツの頭部管でテスト・・・一応、スカッと金属表面は晴れたようになっています・・・キーボードの文字がしっかりと写り込む程度の鏡面になっています。足部管で15分ぐらい、頭部管で10分ほどですね。大して時間がかからない事が判明・・・新品同様の仕上げにするには水研ぎが必要ですね・・・その場合は、表面の荒れ具合でかかる時間は変わりますね・・・

　ただ、足部管を一度完全に水洗いしていますから、普段手の届かなくて埃で曇っている部分も綺麗になりますからね・・・その程度でも随分違う・・・頭部管は一部さびの荒れが気になったので、2000番のペーパーをちょっとかけて・・・バフがけしてみると、状況の良かった場所は完全な鏡面になっていますね・・・800番程度で一皮剥いて、軽く1500番ぐらいで仕上げてバフがけすれば新品同様になりますが・・・

　参ったね・・・材料が揃っていないのに、なぜか手が・・・主管を勝手に分解し始めてしまいました・・・私はビールが飲みたいのだが・・・まあ、このフルートは何度も分解組み立てをしていますから・・・そんなに時間はかからない・・・分解には3分程度でしょうね。組み立ても・・・ざっと水洗いして

　主管を磨いてみました。

　結果は左の写真と右の写真ですね・・・多分、キイの窪みを良く磨いていないのと、写真を撮るときキイを脱脂しなかったので、ちょっと光がよくないですが・・・管体はしっかりとキーボードの文字が写る程度の輝きになっています・・・キイは・・・タンポを外して超音波洗浄機にかける必要がありそうですね。その後での研磨・・・給脂と調整・組み立て・・・

　まともに、音も出ないという物をオークションで落として・・・音が出るように調整して・・・ほぼ全体をバフがけすると・・・見違えるような楽器に化けてくれますね。一応・・・ムラマツの料金表で言うと、ムラマツフルート｜調整・修理のご案内　このフルートは・・・オーバーホールBを受けたのと同じですかね？それプラスアルファ・・・まあ、バフがけもしていますから10万円コース・・・もちろんその技術水準は違いますが・・・ここまででも、よほどの思い入れがある楽器でなければ受けさせる事はできないという事ですね。一応、ろう付けもできるし、へこみ直しもできるから・・・フルートを維持する最低限の技術は身についている事が分かりましたが・・・金にはならないしな・・・貧乏なのに・・・でも、ちょっと豊かな気分・・・だって、とりあえず安物の新品に近いフルートと並べても輝きに遜色が無いですから・・・左の写真のようにね・・・1本青いけど・・・

　左から、昔々のムラマツ、次がケルントナーKFL-29、真ん中の青がNUVO、そしてムラマツM-120頭部管は軽く磨きましたが・・・右端がヤマハの211・・・新品に近いケルントナーがやや茶色くなっている・・・表面の銀メッキなんですが、どうやら鍍金後の磨きが少し足りないようで、鍍金の表面の荒れがあって、それが酸化するようです。新しいうちは小まめに磨かないと茶色になってしまいますが・・そうならないように使用後に軽く磨いておけばさびにくくなります。手袋をはめていじりまわしてやっていればOKですかね。新品はそれなりに手入れしてやらないと古い綺麗なものより手入れに気を使う物があるという事です。

　こんな風に、気合を入れて磨けるのは・・・鍍金のかかっていない物だけですからね・・・近頃の鍍金されている物は、鍍金を剥がすと凄い事になるはずです。さて、近いうちにヤマハの211もバラして磨くか・・・ヤマハの211クラスだと消耗品の全交換＋バフがけなんって、業者にやらせるわけには絶対にできないですね。

2015.07.09