現在をうろうろ(1079)
日本貧窮者経済新聞
 昭和5年頃の財政は・・・既に破綻状態なのか・・・?

 さて、昭和5年あたりの国家財政に関しての資料を集め始めました・・・財政は、この時期でもよろしくないようですね。

本日閣議ニ於テ昭和五年度経費節約ニ関スル件別紙ノ通申合有之候条御了知相成度依命此段及通牒候 現在ノ社会経済及国家財政ノ状況ニ鑑ミ此際昭和五年度予算ノ実行上各般ノ経費ノ支出ニ関シ極力節約ノ趣旨ヲ以テ経理シ可成多額ノ歳出不用額ヲ生セシムル為メ特ニ左記事項ノ励行ニ努ムルコト 昭和五年末賞与(慰労金ヲ含ム)ハ前年ニ比シ極力減額スルコト、従来給与率ノ比較的大ナル省ニ於テハ特ニ減額スルコト・・・という事で・・・

 年度末賞与は自今全廃・・・給料カットなどは常態化する事になるようですね。昭和5年11月28日の文書・・・年末賞与のカットをこの時期に決めている・・・

 この年の1月に金本位制に復帰・・・金解禁を行い、ロンドン軍縮会議が開催され・・・10月2日に批准・・・海軍の予算が削られるというより、削るしかない状況に陥っている・・・統帥権干犯問題などが起こる年ですが・・・このあたりでは木戸幸一などは活躍が見られませんね・・・ちょっと不思議な気がするのが・・・重要産業統制法が成立する直前の木戸幸一の一党の動きが分からない・・・昭和6年からは木戸幸一日記があるが・・・買うか・・・

 どうも昭和4年の昭和恐慌・・・この直前は、デフレ政策を取っていますね・・・金解禁に向けた動きです。通貨の力を強くする事の反動で・・・物価が下がるわけです。この時代は・・・とにかく、円に信用が無いから・・・正貨の金を準備するわけです。その金を保証としての円貨の価値の維持・・・100円=49ドル85セントを狙った・・・しかし、世界恐慌の波が・・・日本の輸出先を襲っていたわけです。米国は生糸を買わない、中国も綿製品・雑貨を買わない・・・円は正貨に換えられて海外へ流出・・・このあたりの様子を並べると・・・

1929年昭和4年10月24日・28・に9日の大暴落・・・世界恐慌へと・・・
1939年昭和4年11月22日金解禁の発表
1930年昭和5年01月11日金解禁
1930年昭和5年6月臨時産業合理局設置・・・
1931年昭和6年3月31日昭和6年3月31日法律第40号重要産業統制法可決
1931年昭和6年4月13日濱口内閣不一致で総辞職・・・若槻内閣へ

 重要産業統制法が変質したのでは?多分・・・金解禁に伴って日本の産業の力を伸ばすための統制のための法律・・・デフレ政策の一環として行われたものが・・・裏では・・・実質的に昭和5年の夏の段階で政府はモラトリアム状態・・・物価の引き下げを目指している事を表看板に掲げて議会を通過・・・実は価格低下を抑制するために使われる事になる・・・

 議会での質疑で・・・臨時産業審議会・臨時産業合理局の設立・・・設立したのは良いが動いていないらしいですね。そして、政権交代の直前に・・・可決成立・・・

 昭和6年でも・・・スピード感とかに類似の話をしている・・・政府が遅いと文句を垂れているのですが・・・近頃は、政府が騒いでいるのは何とも・・・政府が的確な指示を出さないから・・・行政が馬を担いで走りまわることになる・・・

 ただ、この時期の臨時産業合理局は工業規格の策定みたいな作業ばかりやっているようですね。想定された役割と現実に要求されている事との間に違いが現れているような感じ・・・?

 なんとなく・・・重要産業統制法の出所は臨時産業合理局ではなさそうな気がするのですが・・・そして、この法律が価格低廉、価格維持のどちらにも使う事ができるから・・・5年の年限を切っているわけですが・・・後に延長・・・したがって、財閥を保護しつつ・デフレ政策のために作られたが・・・危惧された様に・・・インフレ政策に使われた可能性が強い・・・最後に至っては、公定価格と闇価格の差から事実上意味を為さなくなるわけですから・・・この状態に至っては、国債の購入と貯金・献納の強要といういう政策になる。

 昭和5年11月時点での、不況の原因に関してのモルガン商会ラモントの説では・・・どうやら、生産過剰によるものと分析しているようです・・・昭和5年は外務省が中心となって、海外の財政に関する資料を随分と集めているような感じです。まさか、生産調整を考えているのか?まあ、重要産業統制法は生産調整にも使えますからね・・・物価もいじれるし・・・

 昭和5年のあたりの史料を眺めていると・・・商工省の影は随分と薄いような感じですね。岸信介が表舞台に現れて来るのは昭和7年以降のようです。どうも・・・重要産業統制法の出所は商工省ではなさそうな感じですね・・・所詮三等官衙なのか?・・・とにかく、この頃の産業合理化は・・・過当競争の排除にあったようです・・・大手の独占体制が崩れる中での事のようです。

 昭和11年になると岸信介は満州の方へ商工省から転出して行くようです・・・左のような感じですね。満州国国務院実業部総務司長・・・満州人脈を築く事になるわけですかね?満州国・・・この存在が問題になり続ける・・・金のなる木のようなもの?

 もう一つ気になるのは・・・貴族と一般人というか、貴族と凡下の輩の関係ですかね?この時代は・・・貴族がある程度公務というやつについているようです・・・役所での貴族というのは・・・どんな仕事をしていたのやら?

 この時期・・・華族制度改革が考えられていますね・・・今後の華族を男爵は3代までとか世襲に制限を与えようとしていますね・・・どうせ、金が無いからこういったことにもなる・・・という事は・・・日本には・・・一代貴族はなかったのか?・・・勲爵士とか騎士爵・・・とかだっけ?・・・そのうちチェックしましょう・・・

 それから・・・貴族では無いものが頑張る理由、華族様になりたかったのか?貴族と凡下の社会での役割の違い・・・特に政界での地位の差ですかね・・・

 さて・・・昭和7年に成立した満州国・・・昭和9年に帝政になり・・・昭和11年か・・・東京オリンピック開催が決まった年・・・昭和6年9月18日から始まる満州事変・・・昭和12年7月7日からの支那事変の間のちょっと静かな時期ですかね・・・この時期に、満州にいた連中が本気の戦争を生みだして行くように表面的には見えますが・・・どんなものが隠れているのやら?公文書だと・・・上部組織の動向から下部組織を推測するしかないですからね・・・満州閥と称される連中も、どうも昭和の10年ごろまでは木端の連中で、いつの間にかセットで大駒に化けてきますからね・・・あとは・・・戦前の選挙システムと戦後の選挙システムの違いなどもあって・・・昭和3年以前の所得による制限選挙、昭和3年から17年までの25歳以上の成年男子による6回の普通選挙法による選挙、昭和20年以降の現在の形・・・戦後レジームの脱却ってのは・・・選挙制度もいじって、選挙干渉ができるようにするとか?

 日本を取り戻す・・・日本らしい日本・・・どうも封建制を復活させることを考えているのかと?しかし・・・政府はどんないったいどんな未来を夢見ているのか?ちっともわからない・・・「改革2020」プロジェクト・・・こんなのを眺めていますが、なんだかね?

2015.06.26

  

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