官民対話は談合かね・・・トラストやカルテルの時代になるのか？

現在をうろうろ（1077）

　官民対話は談合かね・・・トラストやカルテルの時代になるのか？

　なんだか・・・変な感じ？戦前の資料を漁り始めたのですが・・・生産性革命の実施ってのが・・・未来への投資を生み出すために政府と産業界による官民対話の場を創設する・・・対話では、民間が目指すべき投資の方向と政府の取り組みについて対話を行い、企業の大胆な経営判断を後押しする・・・対話って談合かね？なんって・・・どうも、余計なやつと重なって見えるんですが・・・統制会育成発展へ・・・というやつ

　重要産業統制団体協議会では新内閣において十二業種統制会の設立を閣令指定せられたる後の産業界の連□調整及び政府当局との協力を図るため昭和十六年十一月十四日正午より銀座Aワンに岸商相、椎名次官等を迎えて重産協より平生副会長、伍堂、八田、鶴見の三顧問、理事、常務委員、帆足書記長等出席官民懇談会を開催、統制会今後の育成発展に関して真に官民一致して邁進すべく種々懇談をなし午後三時散会した・・・

　なんだかね・・・トラスト・カルテルの促進でもするのかね？なんとなく、近頃は昭和の初めのような状況になっているのではないかと？どうも、ドイツの真似とは思えないのでね・・・それで、木戸幸一日記が欲しくなったのですが・・・なにぶんにも高価な本でね・・・とりあえずは、ネット上にどんな史料があるのかのチェックのようなものです。新聞記事文庫　神戸大学付属図書館の物ですが、なかなか便利・・・年がら年中検索していますから・・・基本情報を探す場所の目星は付いているんですけどね・・・平成27年6月22日産業競争力会議平成27年総理の一日総理大臣首相官邸ホームページ　これを見ると・・・　私から一つ提案を行いたいと思います。これまで賃上げや価格転嫁について、関係者間で議論を重ね、成果を上げつつあります。・・・価格転嫁の推進って・・・マズイのでは？市場が決めるものではないかと・・・まあ、日本で市場原理なんってものは絵空事のようなものであるみたいなんでね・・・給与カルテル、価格カルテルの話に見えるのは・・・私の頭が変だからなのか？まあ、変だという事は分かっていますが・・・近頃、私の妄想を凌駕するような現実が随分とあるのでね・・・

　なんとなく・・・独占禁止法に引っ掛かる、不当廉売じゃなくて・・・過度な価格維持などが話題になる可能性が高いような？官製談合がどこまで広がるかによるけど・・・政府と日銀の間の談合ってのも気になりますが・・・廉売の反対語って何だ？

　どうも、景気対策ってのは・・・売る側の保護になるから、売るものが無い庶民が搾取される事になる。なんで、庶民は物価高に対してNo!って言わず・・・景気が良くなるからでこの政策に乗るかね？私はデフレが好きなんですが・・・結局は庶民の蓄財を食いつぶしての財政再建になるのだから・・・報道は、そういった部分をもっとしっかり報道すべきだと思うが・・・報道は庶民の味方ではない事がこのあたりからも分かるが・・・

　不当廉売で共倒れすることだって・・・これも、市場が上手く動いている事になるはずなんだが・・・共倒れで、不当廉売が無くなれば・・・価格は戻る・・・不当廉売に見えても共倒れしない場合は、どこかで利益を得ているはずですからね・・・今の政府は過度な価格維持を図ろうとしているから・・・明らかに庶民の敵なはず・・・産業基盤が脆弱な所では過度な価格維持で儲ける者がいないから、景気はさらに悪くなる・・・単に庶民が困るだけなのに・・・

　昭和5年の夏の段階で、日本政府の財政は事実上破綻していて綱渡り状態・・・これに対して、借金の価値を減らす策として、紙幣の紙屑化を図るために重要産業統制法ができて・・・過度な価格維持が行われる事になったと思いますがね・・・多分、再販売価格維持とか食糧管理法とか共同の取引拒絶、不当な取引制限＝カルテル、差別対価、取引条件等の差別取扱い、抱き合わせ販売、排他条件付き取引、拘束条件付き取引・・・これらを合法化して財政難を乗り切ろうとしたという感じですかね・・・木戸幸一や吉野信次そして岸信介・・・このあたりを洗えば何かが出て来る・・・

　ちょっと気合を入れて歴史の精査を始める気になったのは・・・自民党が終戦処理あたりをチェックしようとしている事に関して気になったからなんでね・・・戦争の結果を話題にして戦後70年にけりをつけようとしている・・・しかし、問題は戦争が如何に起こったか？こちらの方が問題じゃないかと思うわけです・・・大東亜戦争全体の調査なら分かるが・・・終戦がらみだけをクローズアップする事は・・・開戦への道を隠す事になるような気がしてね・・・それなら、調べてやろうと・・・普通は経済を中心に歴史を見る事は無いですが・・・政策なんってのは、経済操作がメインですからね・・・誰が権力者になろうが過去の話はどうでも良いが・・・経済は過去から連綿とつながっているのでね・・・さて、ちょっと史料を作るかね・・・重要産業統制法を官報から引いてきました・・・昭和6年（1931年）3月31日法律第40号・・・ちょっと、貼っておくだけで、あとで利用しましょう・・・

　先ずは、この背景となる社会情勢と・・・政府の懐具合をチェックしてやらなければならないですね・・・絶対、自民党は戦争への道に関しては精査して情報を持っていると思うのですが・・・財政再建の様々な手法を研究しているはずで・・・戦前の財政再建についての知見も持っているはず・・・

　この法案の審議過程は次のような感じですね。

会議録一覧日本法令索引　重要産業ノ統制ニ関スル法律案

　この法律の中身はざっと眺めると・・・・

　Wikiでは・・・重要産業統制法

主要な規定は、第1条の同業者の2分の1以上が加盟した統制協定が成立し、または変更したときは、一定期間内に主務大臣に届出ることを要するが、ここで「重要なる産業」の種類指定の権限が主務大臣に与えられた。主務大臣である商工大臣は昭和6年、下記の24種事業を指定した。ここで統制協定とは、生産制限または操業短縮、生産分野、注文割当、販売価格その他に影響を及ぼすべき取引条件、販路、販売数量、共同販売等にかんする協定をいう。第2条の非加盟者の強制加入にかんする規定で、主務大臣は加盟者の3分の2以上の申請があるときは非加盟同業者に対し、協定の全部または一部に依るべきことを命令することができる。第3条のカルテルの独占的弊害を防止する手段として協定が公益に反し、または関係諸産業の公正な利益を害するときは協定の変更、または取消を命じることができる。第4条では主務大臣の監督権、第5条では統制委員会、第6条では罰則が規定された。

綿糸紡績業
絹糸紡績業
人造絹糸製造業
洋紙製造業
板紙製造業
カーバイト製造業
晒粉製造業
硫酸製造業
酸素製造業
硬化油製造業
洋灰製造業
小麦粉製造業
二硫化炭素
精糖製造業
銑鉄製造業
合金鉄製造業
棒鋼製造業
山形鋼製造業
鋼板製造業
線材製造業
銅・真鍮の圧延板製造業
揮発油製造業または販売業
麦酒製造業
石炭鉱業または販売業

　という事で。協定価格で価格維持をすると、これに関連する物の値段もそれなりに釣り上げる事ができるという事なのでしょう。

　という事は・・・

　第3条のカルテルの独占的弊害を防止する手段として協定が公益に反し、または関係諸産業の公正な利益を害するときは協定の変更、または取消を命じることができる。・・・というのは表向き・・・ガンガン物価を上げて、古い債権の価値を貶めて、借金の支払いを楽にしようという意図で作られたとしか思えないのだが・・・まあ、昨日1個80円のリンゴ１万個のための80万円の借金が、今日は1個125円になったから借金80万円はリンゴ6400個分の価値しか無い・・・したがって3600個のリンゴの価値だけの儲けが出る・・・物価を上げて借金の価値を下げようという魂胆が見え見えですね。

　庶民は値上がりしたリンゴを眺めて・・・困った困ったと言って125円出して買う事になる・・・庶民を搾取して財政再建をしよう！という事ですね・・・45万円儲けたんだろ！なら15万円は税金で御上が召し上げる！・・・自明・・・30万円は献金しろ！ここまでやるかね？やりたくなるかも・・・

　あれ？第22回産業競争力会議を眺める予定が・・・まあ、次回としましょう・・・

2015.06.24