現在をうろうろ(107)

 国粋主義者が生まれるプロセス・・・

 ナイジェリアで何やら人さらいがあったようで・・・イスラム過激派武装勢力ボコ・ハラムが学校から女子生徒200人余を拉致し、「奴隷として売る」とのビデオ犯行声明を出した・・・売るのか・・・安ければ買って解放してやるのも良いか?なんって非人道的な事を考えてしまいました。しかし、こんな非人道的な事をすることが許されるという枠組みは何?気になります。

 一般論としては・・・自分が行った事は、同じように自分に返ってくる・・・というのが基本であると考えますね。だから、人の嫌がる事はしてはいけない・・・人の家の娘をさらうと、自分の家の娘がさらわれる・・・だから、普通はしない事になっています。だから・・・基本は人が喜ぶ事をすれば、自分を喜ばせてくれる事が返ってくる・・・方を取るわけです。

 ボコ・ハラム・・・西洋の教育は罪か・・・西洋の教育を受けたものは人間としての価値を失ったものという枠組みで考えているという事なのかね?

 気になるので報道をかき集めて事件を構成してみますか・・・共同通信がロイターを引いていて・・・内容は、ナイジェリアのボルノ州では2014年4月以降ボコ・ハラムの活動が活発になり、この武装集団によって4月14日にキリスト教会や西洋教育の象徴とみなされる学校が襲撃される事件が起こっている。町の襲撃によって少なくとも町の住人125人を殺され、襲撃を受けた学校から女子生徒が、襲撃を受けた町の少女ら270人以上が相次いで拉致された・・・という事のようです。

 ボコ・ハラムの指導者のアブバカル・シェカウ師は拉致した生徒を「奴隷」として売り飛ばすと脅迫とのこと・・・金目当ての犯行かね?宗教的なものではないのか?誰に売り飛ばそうとしているのか?

 ふむ、このポコ・ハラムノ指導者のシェカウ師の宗教的な考えでは「西洋の教育は終わるべきだ。少女たちは(学校を)去り結婚せよ」という事のようですね。女性が教育を受け、男と対等に話をすることに対して敵意を持っているという事か。そして・・・人身売買の市場がある。アラーが私に売れと言っている・・・生徒が隣国のチャドやカメルーンで武装勢力に1人2000ナイラ(約1200円)で「花嫁」として売られている・・・200人で24万円か・・・まとめて買って教育するか?と非人道的に買い込む事を考えたのは・・・このあたりでは、人身売買の市場がある・・・という事は、文化がそれを認めているのが問題・・・

 文化が認めている・・・非文明的であるが・・・意識改革=文化の破壊・・・西欧的な倫理観の押しつけ・・・それに対抗する地元勢力・・・困ったね。人身売買は悪であると信じている者と、社会のシステムと認識している者とで見解が完全に分かれる・・・貧困であるがゆえに、人権が軽い・・・1200円か・・・

 ナイジェリア政府は、対応が遅すぎるといった欧米の批判に反発を強めている。旧宗主国である英国などの協力についても「恩着せがましい態度だ」と逆に非難しているとか・・・という事は、明らかな文化の衝突が起こっているという事になるようです。

 ただ、ナイジェリア警察当局は生徒発見につながる情報の提供者に5000万ナイラ(約3150万円)の報奨金を支払うとしているから、このような拉致はさすがに認められない・・・5000万÷2000=25000 このような拉致を認めさせないために25000人分の価値を認めている・・・被害総額の125倍・・・人権を金に換算して計算するという非道な事を私がしている事は分かっています。私も、西欧流の教育を受け、人権の尊さは分かっていますし、その金に換算できない尊さを信じていますが・・・ナイジェリアの文化を知るには、その価値観で眺める必要がある・・・対策も、そこに隠れているはずですから。

 文化を破壊するには、外力は無力・・・文化を守ろうとする力が増すだけ・・・皆殺しをしなければならなくなる・・・だから、ナイジェリア政府は、対応が遅すぎるといった欧米の批判に反発を強めることになる・・・良かれと思ってやることが裏目に出る。旧宗主国である英国などの協力についても「恩着せがましい態度だ」とという事になる・・・我が国の事情もある・・・となる。

 ポコ・ハラムノ指導者のシェカウ師は、文化がどのように破壊されるかを理解している事が問題ですね。・・・教育による若者の意識改革・・・これが、文化を破壊するものだと・・・情報の遮断が文化を守ることだと正しく認識している。・・・念のため、私はシュウカ師を賛美しているのではないですよ。

 人道主義者の立場からすると、この文化は破壊しなければならない、しかし、暴力的な解体は困難である、価値観の転換によるものしか無い・・・自ら望んで文化を捨てさせる・・・ある意味、改宗・・・西欧的な、ある意味キリスト教的な愛に・・・だから反発されている。・・・対話は文化の変質を意味する・・・それも理解している宗教指導者を説得すること自体が困難・・・打てる手立ては何か?ポコ・ハラムノ指導者のシェカウ師の信じる神によるシェカウ師の排除ですね。これが一番簡単・・・しかし、神に頼む事はできないから・・・コーランの教えの中に探さなければならない・・・神の道のために奮闘することに務めているのではない事の自覚・・・ポコ・ハラムの外部の不義との戦いである暴力的な神の道のためへの奮闘が、返って内面の神の道への奮闘を疎かにしている事の自覚かね?

 神の望む社会・・・人の望む社会・・・神の望む社会をシェカウ師は述べ、それが信じられているから、こんな事件を引き起こせる・・・神は、これを望まない・・・とできればOKだが・・・だから、単純ではない・・・イスラム神秘主義の中にはちゃんと平和主義と寛容が組み込まれているが・・・自らの神の下での平和であり寛容だから・・・外力に対しての抵抗を生む・・・どの宗教でも同じ・・・従って、同じ宗派の中での宗教的な解釈の対立と内部抗争による自滅が比較的早く決着をつける手段になるが・・・多くの人の血が流れると、人の価値が高まり・・・神を捨て去ることができるようになるはず・・・赤軍派に見られる総括と自壊・・・これは望まれる解決手段ではない・・・

 困った事に・・・イスラム教徒は・・・人の欲望につけこんだ誘惑に対しての抵抗力が強い・・・我が国のおもてなしの心による懐柔などは無理・・・毎年イスラム教徒は・・・断食のサウムによって食欲という根源的な本能を抑える訓練をさせている、これにより精神は肉体よりも強固なものであると自覚し、人の欲望につけこんだ誘惑に対しての抵抗する・・・よって、ウマい話には乗りにくい・・・

 従って・・・イスラム教に組み込まれている変革のための装置は・・・個人の内面との戦い・・・これが発動ができれば・・・イスラムの平和主義と寛容による国の調和が生まれるが・・・残念ながら私のイスラム教の知識では、このあたりまでが限界だね。賢い人たちに任せるしかない・・・人身売買の市場から若者を沢山買い込んで・・・もうちょっと穏健なイスラムの教えを叩きこんで放すとかするしかないのかもしれない・・・人身売買の市場が変質したイスラム教徒の温床になるのなら、市場は閉鎖されるでしょう・・・

 いずれにせよ、異文化交流は難しい・・・交流の結果は・・・新たな雑種の文化の発生だから・・・結果として、対話を好まない国粋主義者が生まれる・・・隣国との対話の望まない首相は、こんな所からも国粋主義者と目されるわけです。

2014.05.11

  

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