現在をうろうろ(70)

 日本の米が食えなくなる?

 早めに寝て、すっきりと目覚めて・・・ふと、昨日の続きで色々と考えてしまいました・・・TPPって、基本が相互利益のために行われるという事が
気になって・・・

 それで・・・昨日・・・考えていた和牛と輸入牛肉の住み分けですね。私の財布に言わせると、2つの食材は完全に価格帯の違う別種の食べ物です。すき焼きなんかだと和牛の方が・・・とか、考えてしまうわけです。そもそも、価格帯が違うので、それなりの食べ方を工夫しなければ、その価格差を味わう事ができません。

 つまり・・・晴れと褻の違いかな・・・和牛は晴れの料理、輸入牛肉は褻の料理・・・価格差からすると、私の財布にとってはこんな位置付けです。さて・・・問題は米なんです。

 私の所には、一応、日本米とタイ米と日本のもち米とタイの香り米があります。残念なことにこれらの米は高すぎて、追加の購入予定は無くなりましたが、まだ未練がましく食べずに残して、冷蔵庫に入れました・・・普通の米が晴れの日の食材に昇格です。

 既に、私の口に入らなくなってしまった食材ですが・・・それで、ちょっと気付いたんです・・・TPPによって米の関税がなくなったら?多分、私の口にもカリフォルニア米やタイ米が戻ってくると・・・日本米は・・・多分、口に入らないのではないかと・・・

 疑念は・・・シイタケと俵物・・・なんです。今でこそ、上質なシイタケが手に入るようになりましたが、明治大正期の日本では、上質なシイタケは庶民の口に入らなかったんです。B級品のシイタケが日本の国内では特選品という感じに売られていました・・・近頃のスーパーで売られているしょぼい安物のシイタケよりグレードの低いものがです。

 A級品から上のシイタケはどこへ消えていたか・・・それは、輸出用だったんです。良いものはすべて外貨を稼ぎだすために集められ海外に売り飛ばされていました。だから、特別な手蔓が無ければ手に入らなかったというわけです。そもそも、流通していないB級品の中の良いものが、国内向けA級品として流通していたわけです。

 江戸時代のある時期から煎海鼠・乾鮑・干貝柱の三品の俵物に至っては・・・国内流通は無いわけです。完全な輸出専門の商品です。荒井白石の正徳の治によって我が国の人民から取り上げられてしまったものです。荒井白石は金銀の流出を気にして海舶互市新例を定め、これによって、日本からの金銀の流出を止めますが、代わりに煎海鼠・乾鮑・干貝柱の三品を日本人の手から取り上げて、清国へすべて売り払う事になります。さらに、これ以外の海産品の昆布やスルメも輸出品として国内流通が限定されます。おかげで、国内では昆布やスルメは高級品になり、中継貿易地の沖縄料理にそういったものが使われる事になります。従って、本土の料理では煎海鼠・乾鮑・干貝柱・昆布・スルメなどを使った料理は発達しなかったようです。

 そして、これだけでは足りないですから、伊万里焼などの磁器、漆製品が輸出され国内にはB級品しか流通しなくなります。漆製品は・・・ジャパンと言われるほどの人気ですから・・・

 ふと、こんな歴史的なものを考えてしまったんです。伊万里焼に代表される磁器は、ヨーロッパで珍重され、その価格は金の重さを越え・・・ザクセン選帝侯アウグスト2世などは素晴らしい日本磁器のコレクションを持っていたようですが、その財産を擦り減らせ・・・かと言ってコレクションを売り払えずに・・・錬金術の助けを借りることにします。

 ザクセン選帝侯のコレクションは現在は・・・Staatliche Kunstsammlungen Dresden-Porzellansammlung ドレスデン美術館の1つであるツヴィンガー宮殿に日本の伊万里焼の陶磁器コレクションがありますね。

 ・・・お金が無いぞと困ったところで、ちょうど、プロイセン王フリードリヒ1世にベルリンを追い出された若き錬金術師がアウグスト2世の下に転がり込んできます。そこで、錬金術師のヨハン・フリードリッヒ・ベトガーを雇います。この錬金術師は陶磁器の研究もしてたんでね。ただの土くれを金を越える超高付加価値商品に化けさせるために・・・ベトガーはそれに半ば成功して、幽閉されてしまいます・・・そして、ザクセン・フォークラント地方のアウエ鉱山のカオリンを使って本物の磁器を完成させます。これによって、1710年、ドレスデンに 王立ザクセン磁器工場 が設立され、硬質磁器製造の独占権が成立・・・可哀想なベトガーは白い磁器に染付の研究へと・・・幽閉はさらに厳しくなり・・・強欲な王の下で独占的な技術を発明すると生きては外へ出られなくなるんでね・・・1719年に37歳の若さでアル中として死んでしまいます・・・とにかくベトガーなどの研究によって、現在のマイセン焼の基礎を築く事になります・・・

 日本って・・・日本での標準品が海外で高く売れるとなると、すべてを輸出に回すという忌まわしい過去を持っているんです。荒井白石は立派な人物として紹介されていますが・・・彼のおかげで、日本を代表する海産物・工芸品が日本になく、日本の文化の中でも影が薄くなってしまうわけです。

 さて、日本の米・・・日本食には欠かせないものです・・・ふと、コンビニのおにぎりを眺めて・・・近頃、こんな高付加価値商品は買えません・・・何しろ1つ1ドル以上しますから・・・多分、原材料価格は20セント程でしょう、日本のコンビニで売られるように、欧米のコンビニで売られるようになったら?インディカ種では作れないですし、カリフォルニア米でも味はどうだか?カリフォルニアあたりにおにぎり工場が輸出され、そこで日本米だけが使われたら・・・、日本のファーストフード店で使われる米・・・同じように欧米で日本の米が使われたら・・・平成2年の統計を眺めると、日本の主食用米の需要の28.6%を占めている・・・253万トンの米が中食及び外食産業で消費されている・・・もし、海外のコンビニにわずかでも日本風の弁当やおにぎりが並んだら・・・日本米に多少のプレミアがつくだけのものであったら・・・

 多分・・・コシヒカリなどは、全量輸出の規模しか生産していないことになる・・・サイト内検索 農林中金総合研究所 外食・昼食産業の米需要によれば・・・そうなると、TPPでは、予想されたのとは違って、日本の米の流出が起こる可能性が高いような気がします・・・荒井白石によって煎海鼠・乾鮑・干貝柱・昆布・スルメなどの乾貨が日本の食卓から消えたように・・・まさか、欧米で おむすび が何かの間違いで流行ったら・・・私のような貧乏人の口に、コシヒカリなどのブランド米が入るか・・・ちょっと心配になってきました。

 まあ、こんなことは絶対にありえないと政治屋たちは考えての聖域の設定のようですが・・・政治屋の思惑は大概は外れるので、私はこの可能性が高いような気がします。TPPで、日本の食卓から銘柄米が消える可能性が高いような?既に、私の食卓から消費税増税で米が消えましたから、可能性としては高いような気がします。Fast, Fun & Fresh Japanese Food YO! Sushi Restaurants & Takeaway うそ・・・こんなチェーン店があるのかよ・・・日本も国策会社を作って、日本製農水産品を、本場のと称してアレンジして巨大チェーン店を世界中に作ったら・・・日本のすべての農産品は輸出品に化けちゃうかもしれない・・・ちょっとTPPはまずいのでは?日本産のタマネギも食えなくなるかも?

 何かの間違いで、日本市場に特化した農産品が海外でもてはやされると・・・そういった商品は日本市場から消えるかも?ふと、頭に浮かんだのが茗荷・・・Myoga - Wikipedia, the free encyclopedia まずいよ、日本食ブームになったら、茗荷なんかも日本と結びついたハーブという感じですから、こいつも日本市場から消える可能性がある・・・A traditional crop in Japan, myoga has been introduced to cultivation in Australia and New Zealand for export to the Japanese market.・・・消えたら大変・・・我が家の梅の木の根元から出る奴だけしか食えなくなる・・・

2014.05.04

  

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