東北をうろうろ(22)
 出羽三山 そして蔵王へ・・・・8

 出羽三山は、これでおしまいという感じです。月山にはまだ登れませんでしたからね。あとは、ダムを見に行きました。月山ダムとあさひ月山湖というやつです。梵字川を流れる金色の梵字を見て、海の方から登ってくると、巨大なコンクリートの塊があって、金色の梵字を吐き出していた・・・なんって、絵にはなりませんが、梵字川をせき止めた巨大なダムがあるというわけです。

 このダムは、何やら見学ができるって話でしたが、時間が遅くてだめでした・・・残念。

 月の女神のオブジェがありました。この女神は何?アルテミスとかセレネかな?

 月山の月の神は、月読命とは別系列の月の神様のようですし・・・何かな?なんって・・・

 赤川水系 - 梵字川 月山ダム 情報はここにありますね。このダムは赤川の洪水調整から始まったようです。3年におよそ2回のペースで洪水を起こし・・・

 明治時代の2回の洪水は大きく、下流では河川の付け替え工事など行われます。しかし、大正になっても大きな洪水を引き起こし・・・昭和になっても・・・

 そして、洪水調節の切り札として月山ダムが企図されるということのようです。そして、水道事業なども組み込まれ・・・発電も・・・そして、現在の月山ダムが建設される運びとなったとのこと。

 景観にとって良いのか悪いのか?ときどき思うのですが、こういったダムって土で覆って木を植えるとかできないものなのか?

 まあ、堤体を監視しているくらいですから、表面の様子が見えないといけないのでしょうが・・・十分余裕があれば埋めちゃってもよさそうな気がしますが・・・まあ、それだけの土砂を運ぶのは困難なのかもしれませんが・・・何か、ちょっと工夫があればよさそうな気がしますがね。

 ダムって、現在も建設中のものがあるんだ・・・東北だけで、津軽ダム、森吉山ダム、成瀬ダム、長井ダム、胆沢ダムが建設中、田川第一ダム、田川第二ダム、鳥海ダムが調査中とのこと・・・

 まともに流れている川ってどんどん減っていくのか・・・そして、奥入瀬川のような観光のためお情けで水が流されているような川になっていくのか・・・

 4時半をまわったくらいの時間でしょう、まだどこかへ行けるぞ!ってので、幻想の森とか・・・そんな場所がガイドブックにあったな?とか・・・あまり山の中を走りたくないのですが・・・ちょっと面白そうなので、それらしき場所を探ってみることにしました。どっちにしろ、明日は山寺、立石寺へ行くかな?なんって思っていましたからね。

 さて、問題は幻想の森がどこにあるのかよくわからない・・・国道沿いに看板が出てる、数台の車が駐車できる場所があるとか・・・心もとない説明です。まあ、蔵王に行けるコースには違いないので・・・

 この豪雪地帯のことですから、どこの山へ入っても、急な斜面があるところなら奇妙な形の木があるはずですから・・・

 まあ、看板の所と思しき場所を入って進むと、奇妙な杉の木というか・・・伐採、運搬、製材しにくい形をしていると思うわけです。

 このような複雑な形の物は、当然、木目も複雑なんでしょうね・・・

 結局、暗くなってきたので道の駅とざわに戻って翌日のコースを考え・・・2時間ほど、物思いに・・・さすがに疲れたのか?湯殿山の御神徳か?とにかく、天童へと向かいます。途中、ちょっと道の駅で休んで、道の駅 天童温泉だったかな、そこでぐっすり・・・

 起きると・・・薄明・・・ちょっと伸びをして行動開始です。お寺まわりをするには早すぎます。というわけで、蔵王を・・・ちょっと道を間違えて、同じ道を2周ぐらいしたり・・・蔵王エコーラインかな?とにかく、御釜までたどり着きました。早朝だったので、料金所はフリーパス・・・蔵王はこのあたりの連峰の総称ですね。それで間違えた・・・遠くから蔵王に向かうのには蔵王の名で良いのですが、連峰に入ると蔵王じゃ辿り着かない・・・

 とにかく刈田岳 奥之宮 刈田嶺神社へと・・・向かうわけです。案内板の御釜をたどるとたどりつくわけです。道路の終点にはレストハウスがあります。なぜか重油か何かが燃焼するようなにおいが・・・暖房か?いや、ちょっと大きめの自家発電機のようなエンジン音が・・・排ガスのにおいがたなびいておりました。

 そこに車を停めて、高みを目指します。すると・・・緑色の水を湛えた御釜が・・・御釜は、養和2年;1182年の噴火により誕生した火口に、文政3年;1820年以降に水がたまっていった・・・らしい?

 ふむ・・・火山ガスの噴出があるのか・・・素晴らしい景色です。ただ、噴火のさなかにこの場所にいたくはないのですが・・・近くには大きな岩がごろごろ・・・当たると死にますね・・・

 蔵王は、この刈田嶺神社から起こり、ここに蔵王権現が勧進され、この場所が修験の道場として蔵王を名乗ったということのようです。蔵王は山岳修験の道場と言うか回峰行の区域を表す名前と言うことのようです。

 蔵王権現というのも・・・ちょっと疑問・・・蔵王権現は日本に出自がある仏のようです。金峯山寺本堂である蔵王堂の本尊で・・・釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊の合体したものが、金峯山で役小角が修行していると示現したとのこと、合体したものとして示現したので権現なのか・・・

 現在も、この蔵王堂には同じ姿をした3体の蔵王権現像が本尊として祀られているとのこと・・・三体で一体なのか・・・一体なのに三体と考えるべきなのか?まあ、密教の明王像と似た像ですから・・・火山とか水などに縁があってもおかしくはないか・・・

 刈田岳 奥之宮 刈田嶺神社が見えますが・・・登るかどうするか・・・まあ、大したことはなさそうだし・・・まわりにも人影があり・・・登る気になるというわけです。

 近頃はインターネット上にさまざまな写真が上がっているのでわざわざ出かける必要が減少しつつあるように思えるのですが・・・来た以上は時間の許す限り回らないと・・・

 社殿や道などの資材はどうやって上げたのかな?なんって、多分ブルドーザーかなんかで引き上げたのかな?とか考えてしまいます。

 昔は、牛馬ですかね?しかし、大した草も木も生えていませんから・・・ハイマツとか餌になるのかな?

 現代なら・・・、レストハウスの駐車場までトラックが入れますから、そこからタイヤブルのバケットの中に色々と入れて上がればよいのでは?

 特に人間が担ぎあげる必要もないし・・・この距離なら重機で走ればOKという感じですからね。

 そういえば、富士山はどうなってるんだろう?ブル道があったような?御殿場から山頂までの富士山レーダーを建設するときに開かれたやつですね。

 1964年から1999年まで運用されたやつ・・・フラーの考案したドーム・・・ジオデシック・ドームとかフラードームで風速100m以上に耐えるドーム・・・ダイマクション・ハウスでも作ってみるかな?アルミで作った日輪兵舎のような気もしますが・・・

 私は・・・馬鹿なことばかり考えているわけです。

 しかし・・・信仰と言うのは偉大です。ちゃんと石仏などが上がっています。まさか、このあたりの石で製造されたとか?その可能性は・・・

 ちょっと、わかりませんね。しかし・・積み上げられている石が・・・河原の石のように丸いのが多いので、それも気になります。周辺の火山礫とは違った感じの石ですからね。

 どう見ても流水の作用を受けた石のような?案外、セメントと一緒に上げた石なのかも?それを選択的に積み上げている?

 はっきりとはしませんが、石の様子は明らかに違います。

 石の鳥居の笠石なども近くにありましたが・・・これはいつのものなのでしょうか?どのように運んだのやら?石というものはやたらと重いものでね・・・

 山頂の避難小屋?ですね。コンクリート製なのですが石が積み上げられています。何か理由があるのか?石が張り付けてあるのか?対候性を高めるためのものなのか?端の部分を見ると、どうやら張り付けてあるようです・・・?

 こういった高いところに来ると、頭の上の方にも雲が見えますし、眼下にも雲が見えます。

 この場所の標高は1750mを越えるぐらいでしょうか。降り続く雨や雪をもたらす乱層雲は地面付近から高度6000mぐらいまで広がりますから、この場所でもしっかりと雨や雪が降るわけです。2000mぐらいの高さまでの雲と言うと、下層雲・・・くもり雲の層積雲とかきり雲の層雲が下の方に広がり雲海を作り出すのであります。

 これらの雲の中に入り込むとびしょぬれになりますね。積乱雲などは、600mから1500mくらいのところから対流圏いっぱいの16000mくらいまで広がって強烈な雨や雹などをもたらし・・・さらには雷も・・・

 入道雲などは山ではお目にかかりたくない雲ですね。この日は、しっかりと雲海が広がっていて、上空には上層雲が広がり・・・もう少し、雲を主題にした写真を撮れば良かったと思うわけです。

 雲や、気象に関する写真は頭の中になかった・・・ないわけじゃないですね。一応、山を越えていく雲の写真も撮った記憶がありますから。

 山の斜面を上がりながら雲が濃くなっていき、山頂を越えると雲が消えていくというやつ・・・山で囲まれたところに雲がたまっていて・・・

 そう、この蔵王は、カルデラですから、外輪山があって、その中に雲でも溜まっていてくれれば・・・なんって思いますが、なかなかそうはいきませんね。

 そのうち、雲の写真のために、どこぞの山にでも遠征しますかね?

 あまり意図通りには撮れていないのですが、右のがそのつもりで撮った写真です。山の左側には雲が寄せてきている状態で、山を越えて少し下ったところで雲が消えています。

 雲は山の斜面を上昇して雲ができ始めると、100mにつき0.5度ぐらいの割合で温度が下がります。しかし、雲のない空気では100mについて1度ぐらいの変化があるのでね。山を越えた冷たい空気が下降すると、温度が上がって雲は消えてしまう・・・キーワードは露点・・・

 普通に、こんな具合にフェーン現象とか、雲が山を越えると消えることがあることを説明しますが・・・あれ程度の速度の風に乗った雲だと・・・その挙動は少し変わるのかな?山に風が当たると、飛行機の翼と同じように、山頂を越えた場所の山肌のあたりの気圧はさがって、雲を引きずり降ろしたら・・・

 ふむ、フェーン現象は断熱膨張とか熱力学的な説明を行いますが・・・流体力学的な説明も可能なのか・・・とか・・・なかなか気象学も奥が深いものです。また、ちょっと勉強しないといけないことが増えたようです。

 火山やら気象やら・・・面白いものです。山寺、立石寺に向かおうと・・・しかし、ちょっと早いかな?というので、なぜか寒河江の慈恩寺へ・・・予定がないとどこへ行くことになるのやら?困ったものです・・・

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