世界をうろうろ(5)
  韓国ソウルを・・・(5) 

 ホテルに戻ってきましたが、食べるものはないし・・・飲むものもわずか・・・よって、即買出しです。ホテルを出て・・・相棒はでんでんむしのクリームだとか言ってます。昨夜のコースを・・・まずは隣の化粧品屋の女の子に声をかけて・・・交差点で、昨日の客引きの人に手を振って・・・悪いね、商売にならなくて・・・ニコニコの威力はあるようです。仕方ないな・・・って、手を振ってくれています。一生懸命仕事をしてるんですから・・・

 さて、昨日と同じ女の子が店にいますね。そこで、価格交渉など・・・昨日終わっていますから・・・でも、おまけが増えますね。これって面白い・・・買い物をして・・・街を一回り・・・荷物は邪魔くさいので・・・ホテルへ戻り、再び外へ・・・

 朝行った、店で夜の宴へと・・・セットメニューで焼き肉2種類、海鮮物と・・・ビール4本・・・腹いっぱい!満足のうちに・・・コンビニへそこでは例によって・・・ソジュ・ビール・マッコリなど・・・

 ぶらぶらして、店員と話をしたり・・・そして、ホテルに戻り・・・風呂に入り・・・ネットで株式市場の動向を確認・・・良い日だった・・・ってね。

 この1日、ずいぶんと歩き・・・さまざまな店を眺め、ちょっとの買い物で、ずいぶんと楽しませてもらった気がします。高い買い物はしなかったし・・・色々と面白かったし・・・基礎会話を学んでおかないと・・・話してみたいことはたくさんあるしね。

 いまこれを書きながら、大正11年頃の韓国に関する本を眺めていると・・・その時代に韓国に暮らす日本人が見た韓国の人々への感慨が現れている短編がありました・・・「菖蒲と豆萩」山地白雨

 狭い自分の庭を見ていると、いろんなことが心に浮かんでくる。中にも、手水鉢の下の菖蒲は、昨年韓人から一銭で買ったものだ。それが何の手入れもせずに、冬もそのままにしてあったのに、この春はいつか立派な芽を出して、今ではこんなに茂っているのだ。燕に似た紫の花の露を帯びて立っている様を見ると、一銭は安いものだと思う。垣根に咲いている豆萩もそうだ。これも確か一銭か五厘かで韓人から買ったものだが、今ではあんな立派な花をつけて歌にでも詩にでもなりそうだ。気の毒なのは韓人ではないのか。じっとして居食いの果ては、自分の裏の植木を引っこ抜いて、五厘か一銭にでも売って歩かねばならないのだ。
 売り売って、ついに売るものが無くなったらどうだろう!!そのときには真に覚醒するか或は飢え死にするかの二つあるあるのみだ!!


 前半はよろしいのですが・・・後半がちょっと気になるわけです。韓人は貧乏・貧しい・怠惰というのが断定となって語れています。安く分けてもらってありがたいという感覚はないようですね。私の好みからすると、次のようであればよかったのにと思うわけです。

 心豊かな韓人ではないのか。こんなに素晴らしいものを五厘か一銭で分けてくれるのだ。素敵なものを分けて、分けて、どんどん広げて美しいもので溢れさせてくれる!!いずれ、時が来れば、この国中に美しいものや素晴らしいものが溢れることだろう!!

 という風にはならないのかね?なんって・・・同じものを見ても心の働きによってはずいぶんと違った解釈ができると思うのですが・・・しかし・・・人間は時代を超えて生きることは困難ですから、この時代の状況がそうさせたのかもしれません。というより・・・ある目的でわざと書かれた短編の様なんでね。ついつい余計なことをしたまでなんですが・・・

 それより、この山地白雨・・・ 禿山の 赤土山の 山つゞき 悲しき國を つくれるもの哉  で有名ですね。近代デジタルライブラリー - 鮮満叢書. 第4巻 何について、悲しき國と思っていたのか?ちょっと気になります。

 この句は 近代デジタルライブラリー - 新しき朝鮮 の冒頭にも掲げられていますが・・・今では朝鮮は違うのだ!って感じに語られています。少なくとも、旧時代の朝鮮を語られるときのキーワードとなる句として知られていたことが分かります。

 さてさて、土産物で、朝鮮の伝統的な衣装や色ものがあればよい土産に・・・と思っても、意外とそういったものが売られていなかったのは残念でした。食及び色を代表しそうなものとして、右のような食器を買いこんできましたが・・・本当に、こういったものが少なかったような気がします。

 それらしいものが少ない・・・なぜ?色彩に関しては伝統的な衣装があまり売られていなく・・・色彩に関しても・・・確かに、朝鮮服というと白のイメージですが・・・近代デジタルライブラリー - 朝鮮の服装 なぜ白なのか?という問いがこの書の中でも投げかけられていますね。

 安価であるということより、白を愛好していた・・・妓生など華やかな衣装をまとうものでも、白を必ず持つ、高級な布は中国からの輸入で、中国は染色が発達しているから、色ものを好むなら輸入は簡単・・・子供服は色どりが豊か・・・大人の服は白、歳を重ねるごとに淡白な色へ・・・色ものは子供の着るものである!とされたら、確かに大人は着れない・・・ということか?儀式用の服には色が現れ、反対色の組み合わせへと・・・

 年齢別の服色に3から7・8歳までは赤・朱・黄・桃・緑・青などを着ている・・・大人に見られることが重要な社会ではこういった子供っぽいものはだめで、立派な大人は白・灰・黒とされるのなら・・・致し方ないか・・・

 この本は面白い・・・妓生が派手な原色系の衣装を身にまとって踊ったら、妓生の踊りや妓生自身の美しさなどは衣装で幻惑されて目に入らなくなる。白や黒の衣装では、その人自身を際立たせる効果がある・・・そんな内容のことが書かれていますね。

 古い韓国の社会に関して 近代デジタルライブラリー - 韓国社会略説 この憲兵隊司令部の作成した本は良くできていますね。ちょっとびっくり・・・ざっと目を通しましたが、後でしっかり読まなきゃ!社会システムが概観できる・・・

 文献資料をあさることは置いて、今思うと、この日の買い物はずいぶんと安いものを買ったような気がします。団子の類は日本の3分の1以下の値段です。ドライフルーツの類も・・・おいしい食事も、日本に比べるとずいぶんと安い・・・酒も安いし・・・豊かな気分になります。不良日本人を豊かな気分にさせてくれる・・・この国もまた豊かなのでしょう。

 豊かさか・・・

 ああ、私は・・・ある意味、ずるい相対主義者なんで・・・価値判断の範囲内で、都合のよい尺度を用意してしまいますから・・・そして、価値判断の範囲での寛容主義者ですから・・・限度を超えると・・・もちろん不寛容です!楽しく生きるには・・・確固たる自分を持ち、外界に対する関心の自由度を高めねば・・・とか・・・考えるわけです。

 文化の違いというのは厄介ですね。そして、異文化に対して寛容であり、自分の属する文化に不寛容(確固たる意識を持つの)であればあるほど、異文化に接することで豊かになれるような気がします。自分の文化に確固たるものを持たぬ似非右翼など、異文化に触れると・・・すぐ かぶれ、それ故、わけも分からず異文化の排斥に走る・・・そんな気がしますね。

 ほう?、ちょっと面白いものを見つけた・・・右の写真・・・さて、この国難の文字、どのような人がどのような目的で掲げているのか?

 写真の説明には、『排日気勢最も猛烈な南京に於ける排日示威、商店のウインドーに掲げられた「国難」の大幕』とあるのですが・・・

 じゃあ、南京市民が、日本に対して「国難」と訴えているのか?

 日本による侵略を「国難」と唱え中国人の決起を呼びかけているのか・・・


 同様に、柳条湖事件の証拠品の写真なども、民族の信念によって公表されると、それは、茶番ではなく真実の重みを増す事になるというわけなのか?(写真は 近代デジタルライブラリー - 満蒙事変写真帖 より)

 写真というのは、使い方次第ですから・・・

 まあ、私は相対主義者なので・・・時には「文化や価値観は全て平等である」と信じていると思われ、「自己の文化や価値観を他人に押し付けてはならない」って信じている寛容主義者に間違われますが・・・

 バリバリの相対主義なので・・・もちろん自分の信念を基準にする相対主義者なので・・・誰が何と言おうと日本人なんで・・・そりゃ、見聞きすることに関しては寛容ですよ・・・しかし・・・自分の価値観とそれに付随する物は絶対なんでね。

 このあたりの、分かっていない似非右翼よりは、はるかに強硬な右翼なのかもしれない・・・なんてね。・・・似非右翼をお前は日本人なのか?なんって言って金棒を持って追いかけまわしたり・・・

 異文化に触れることは良いことです。世界の中で、自分の立ち位置が明確になりますからね。

 遊びに行って、文化を語っているのでは・・・ちょいと疲れますね。しかし、知ることは面白く、豊かになれます。知らなきゃ話にならない・・・

 少なくとも、けしからん!ってしかめっ面をして街を歩くより、素晴らしい!ってニコニコして街を歩く方が沢山の情報に接することができ、豊かになれることは間違いないのです。

 そして・・・この旅行のメインの1日が終わりました。でも、あと半日残ってる!格安ツアーなんですが、帰りの飛行機の時間を遅い時間にすることにお金を使ったんでね。同じツアーの参加者の中には、朝の5時半ごろに集合で午前の便で日本に帰ることになってる人たちがいましたからね。私たちは午後1時30分集合・・・お金はうまく使うと効果的!というわけです。

 そうか・・・金の使い方も信念(沢山の時間、現地を楽しむ)に沿っている方が良いのか・・・なんってね。

(2013.04.30)

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