ネットの中をうろうろ(20)
  中朝国境に何が・・・(20) 松鶴里あたりから茂山への道
 
 遊仙から先は・・・豆満江は大きく蛇行しながら流れて行きます。見るべきものはほとんどなし・・・どこも小さな集落・・・きちんと並んだ住宅、いつものやつ。それと、作業場兼倉庫+マーケットってやつですかね。これは同じなんですが・・・

 さて、右の写真、ちょっと興味深いものです。川の流れが不安定というか・・・気まぐれに移動しているようです。真ん中の白い帯・・・ここは時には川が流れてしまう場所のようです。座標は 42°22'00.95" N 129°32'33.99" E このあたりです。

 さあ、国境はどこだろう?なんって気になるわけです。今の世の中だと国境は点の集合体の線できちんと表せそうですが・・・国境を定めたときは?どうだったのか??と気にするわけです。

 たとえば、自然境界として豆満江を指定した場合、豆満江が勝手に動いてしまったら?ある日気がつくと、豆満江の流れはこの白いところを本流としてしまった・・・中国側は、豆満江を境とするという取り決めにより、三日月湖と平地を手に入れた。さらにおまけとして、国境監視用の小屋とその付属の人間を手に入れた・・・ありえないよね。まあ、見た限りにおいては無住ですから。

 中国領は果樹園、この朝鮮領のこの場所ってなんとなく魅力的・・・こんな場所で暮らすのも良いかもしれません。夏の2か月ほどなら・・豆満江で釣りはできるのか?馬で走り回って・・・2か月ならOKかな・・・それを過ぎると退屈するかもしれない・・・

 集落がやっと出てきました。集落名はMyongsin-niのようです。 この集落は美しいと思うのですが・・・大規模農業の典型的な風景・・・川は相変わらず滅茶苦茶ですけど。これもまた面白いと思いますね。基本的に、水のほとんど流れない川・・・上流の様子は、そこそこ樹木はあるようですが・・・ちょっと、山の中も眺めてみましょう。非常に沢山の木がありますが・・・結構な巨木なんでしょう。しかし、水は大量に流れる時がある・・・

 基本的に、腐葉土の層が薄いのか?山が険しすぎるのか?この森林で、この状態ということは・・・環境破壊が問題ではなく、自然状態ですでに、治水を行いにくい状況になっている?ということか?

 あれ、小さな鉱山・・・炭鉱でしょうか?座標は 42°19'39.63" N 129°28'30.66" E です。

 この国は、鉱物資源が豊富です。石炭や鉄、金なども出てきますね・・・豆満江には砂金はあるのかな?ちょっと気になります。

 山の中にも、点々と小さな建物があります。標準的な規格の建物より小さいく、複数の建物が集まっていないものは、出作り小屋なのでしょうか?これも気になります。冬はきびそうですから・・・そういえば、今でも虎などいるのでしょうか?さすがに、衛星からでは見ることはできないと思いますが・・・冬など虎は何をしているのでしょうか?

 虎・・・朝鮮とかかわりの深い動物・・・冬は・・・兎に騙されて、しっぽを氷漬けにされて、兎に焼き殺されてしまう・・・朝鮮の虎はお人好しで・・・j自信がなく・・・ちょっとかわいい・・・ホント?どうも、虎の扱いはちょっと特別な感じです。兎は基本的に悪者・・・朝鮮童話集・・・ちょっと、この邑の評価が分からなくなったので・・・ちょっと退屈して読んでるんですが・・・

 類型のものは・・・日本の昔話に似ている、というか骨子は同じものが結構あります。そして、トルストイの民話のようなもの・・・まあ、人間の考えることにはそれほど差はないのでしょうからね。しかし、遊牧民によって運ばれた可能性がありますね。何しろ女真族・・・モンゴル帝国とも関連が深いようなので・・・人が動けば話も伝わる・・・民話などは起源を尋ねること自体が困難なような気がします。

 ふと、北朝鮮の自然集落はどんな形状だったのでしょうか?これが気になってきました。現在の集落は、全て分譲地のような雰囲気ですから・・・画一化されたもの・・・昔話の中には断片的にしか集落の様子が現れませんから・・・全体像は?城隍堂とか、童話の中に現れてきます。

 さて、この集落は・・會寧で分類した、新しいタイプの住宅から成り立っています。ほぼ完全に一戸建てとなっています。辺境にモデル事業ですかね?

 多分、右の写真の不規則に並ぶ平らになった場所が旧住宅区画ではないかと思われますから、近年の整備なのかもしれません。

 北朝鮮って・・・住宅政策が意外としっかりしているのではないかと・・・

 見ているのが、都市より農村ばかりなので・・・でも、農村は飢えている気配は見られないし、画一化された住宅ではありますが、貧困とは無関係な感じ・・・きわめて近代的な感じしか受けません。

 マスメディアが流している北朝鮮の姿とはずいぶんと違った感じです。

 古い住宅区画と思われる家の配列がまだ残っていますね。この集落の西の方に、なんとなくほっとするような、美しい・・・不規則な?並びの住宅があります。樹枝状に伸びた道に立ち並ぶ家々・・・これはどうやら、旧タイプの二軒長屋形式の建物のようです。しかし、明確に中央で生活が分かれているのは1戸ぐらいですかね・・・他は・・・多世代住宅か?

 これが、この地域の前時代の地割りなのでしょう。建物は、旧タイプなのですが・・・規格化された住宅形態を示していますから、共和国になってからのものなのでしょう。

 ここも、やがてつまらない方形の区画になってしまうのかもしれませんが・・・ちょっと、残しておいて欲しいような気がしますね。

 ふと、民族の持つ都市のイメージー・・・方形の城壁に囲まれた中の規則的な配列を持つ地割り・・・

 しかし、この邑は・・・案外10年ほどで一変するような?このあたりは平野がほとんどなく、この集落の北に広がる平原はかなりの広さです。そして、この平原の北側の集落は、茂山へ山越えの道路でつながろうとしているようです。そして、この村落の対岸の中国側では、どうやら、新しい道路が作られているようです。右の森林の切れ目・・・この道路は、国境を縫って會寧へつながるような気がします。北朝鮮内の道路と橋を2か所作ることで、茂山の鉄と會寧の石炭が結びつくかもしれません。


 ここに橋をかければ・・・會寧への道は素晴らしく便利になります・・・案外、このあたりの道路が整備されているのは・・・中国と朝鮮の合弁があるのかもしれません。鉄と石炭・・・そして、工業化されつつある琿春・・・清津・・・羅先・・・咸鏡北道は急激な変化を迎えそうな・・・どうも、私の頭の中には内陸の工業というのがイメージできません・・・日本の海岸沿いの工業都市しかイメージできない・・・長野の精密機械工業とか・・・これが限界・・・鞍山や大慶などを見ないと・・・うひゃ大慶油田って 46°35'18.96" N 125°06'49.98" E こんな大規模な油田なのか・・・中国最大の製鉄プラントはこれまたでかい・・・41°08'44.41" N 122°58'56.32" E 後でゆっくりと眺めましょう・・・大慶の景色って面白い・・・大慶の丸い湖沼群の成因は何だろう?アルカリ土壌か、ソロネッツとか鹸土と言われるいやつ・・・・大慶は特にナトリウム系アルカリ土壌・・・アルカリ土壌の矯正は難しい・・・また脇道に逸れそう・・・この特有な地形と土壌が石油を生み出したかと・・・気になると・・・バーレーンとかね、気まぐれな王様の庭のような不思議な国土・・・

 さて、ここは美しい・・・古い村落の姿・・・しかし、ここも都市化されてしまうような?

 ここの平地の北側を・・・この平地は、実際には台地であったわけです。街はずれの道のつき方からすると、標高差は20m近いようです。この街の名は松鶴里Songhak-riのようです。座標は 42°23'24.99" N 129°30'42.66" E です。

 自動車などの交通機関が未発達な場所って、人の歩いた痕が土地に刻まれるので結構面白いものです。この邑はきれいな区画に整備されていますが、人の営みはこの方形区画をかなり無視して歩き回っているようです。

 さて、写真では下から上に流れる豆満江の支流の川に沿って、茂山へ抜ける道が整備されつつあるようです。この道が気になります。まあ、国境沿いの道を茂山へ向かう前に、この道もちょっと眺めてみることにしましょう。

あれ、ここでは豆満江に筏を流しているようです。川に出ているのは水制か?それとも桟橋?それとも丸太を落とす場所か?洗濯場?

 この解像度ではちょっと詳細は分かりませんが、少なくとも、ここで切り出された?木材は流れを使って運ばれているような感じです。どこでこの木材を陸揚げするのか?これも気になります。ことによると・・・ここで陸揚げしているのかもしれませんが・・・この桟橋状のものは丸太を組んだ原木回収用のものでしょう。黒い影はどうやら起重機、この上流で伐採されたものを回収している・・・というのが正解でしょう。ネットの上には対岸からの写真があるので、多分間違いないでしょう。

 さて、ちょっと国境を離れ、山の方を眺めてみることにします。

 川をさかのぼる道を少しさかのぼると、重機の溜まり場があります。実は、この道路をちょっと眺めたときに、この重機群が気になったのです。このあたりには、重機を必要なものは見出されなかったからなんです。治水のための工事もないので・・・それで、道をたどり始めたんです。すると・・・この先に、小さな炭鉱があるので、その関連かとも思いましたがね。

 そして、茂山への道の、座標 42°19'34.52" N 129°23'41.66" E には2006年にはなく2008年には新しい建物が建っています。さらに、ここにもう一つの建築中の建物があります。

 さあ、この建物は何のために作られたものなのか?何しろ、道路は建設途上のようですし・・・あれ?座標 42°20'00.89" N 129°24'27.12" E のあたりの川が、この道を作るために付け替えが行われていますし・・・凄く大規模な土木工事が行われていますね。

 しかも、この道沿いにこれと同様な建物が次々と完成しているようです。何やら、重要な交通路として本気で構築されているようです。座標 42°18'34.30" N 129°23'05.37" E に2006年から建設されて行く様子が見られます。

 なかなか手際のよい仕事のようです。しかし・・・この建物は道も付け替えられています。ここから4kmに渡ってこのような規模の建物が続きます。

左のような4kmの範囲にあるんです。見た感じ狭い谷間なんです。

茂山から15km程度でしょうか。松鶴里からも同じくらいの距離ですね。このあたりは急速に開発されているようです。そして・・・どうやら、この近くに新しい鉱山が開かれようとしているような・・・2009年までは小さな鉱山のようなものが座標 42°15'54.08" N 129°20'07.96" E に見られます。
しかし、手付かずの森林が、黄色の丸が左の鉱山の位置です。2012年には新たな道路が・・・そして採掘が・・・案外、木々の伐採なのかもしれませんが・・・大きく変化しています。この国は・・・どこに金があるんだろう?

 巷の噂とは、全然違うものを見出します。しかし、この変化は、衛星写真から読み取れるものですから・・・衛星写真が偽物でない限り・・・このあたりでどれだけの金が動いているのか・・・凄く気になります。大きな金が動けばそれだけ仕事は速く、大きくなる・・・

 しかし、どれだけ鉄鉱石があるのやら?右の写真の地点だけでなく、別の場所でも採掘がはじまっています。座標は 42°17'49.84" N 129°21'46.20" E このあたり。ここも本気で採掘中で、どうやら、近頃はここの鉱石が中国へ行っているのでは?
 確証は何もありませんが、道路の様子からなんです。そして、ここには選鉱場はありませんが、国境の橋の所に中国の選鉱場が作られています。茂山には一応、選鉱場がありますから・・・もしかして・・・選鉱場を動かす電力が不安定で、納期が一定していないとか?色々理由があるのかもしれません。

 茂山から松鶴里にかけての山は、宝の山なのかもしれません。このあたりの資料は・・・ちょっと見当たりませんね

(2012.12.03)

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