ネットの中をうろうろ(19)
  中朝国境に何が・・・(19) 遊仙から・・・
 
 遊仙から先は・・・豆満江は大きく蛇行しながら流れて行きます。見るべきものはほとんどなし・・・どこも小さな集落・・・きちんと並んだ住宅、いつものやつ。それと、作業場兼倉庫+マーケットってやつですかね。

 さて、初めてのパターンです。右の写真は・・・耕地に比べると家屋の数があまりにも少なすぎます。最寄りの村まで4kmほどですから、まあ、通勤可能圏内ですけど・・・・徒歩ではね・・・

 作物は不明ですが・・・耕され方のパターンからすると機械化が進んでいるような雰囲気がします。

 雰囲気としては、普通の家屋より大型の家屋・・・屋根の形がどれも同じで倉庫っぽくないですが・・・これが倉庫というか車庫で、そこにトラクターなどが隠されているのではないかと思われます。

 ふと・・・機械力というのは階層分化をはかる装置のような気もします。共産主義は、人間個人の価値を等しいものとして共産主義を作りだしたような気がします。機械・・・これによってオペレーターと手子という階層分化を促します。人間の定格出力は4分の1馬力程度でしょう最大出力は1.5馬力ぐらい、馬も定格出力1馬力、最大出力4馬力程度・・・ここに100馬力のエンジンを供えたトラクターがあれば、定格出力の人間400人分の仕事をする可能性を秘めることになります。まあ、機械と人間を単純に比較できないのは・・・400人の人は1度に400種類の仕事が進むということです。1台の機械は普通1つの仕事しかできませんからね。

 ここの耕作地、多分50ha弱かな?大型機械を最大限に活用して10人の人間で耕作すると・・・作付までで1週間かからないかな?それとも・・・牧草地?

 純粋な牧草地であるとすると、収穫した草は?サイロは・・・北朝鮮の牧畜のパターンは?ロールベールラップサイロなんって使ってるのでしょうか?ここが牧草地であるとすると・・・輸送手段は・・・少なくとも、放牧がおこなわれているのではない・・・しかし・・・輸送手段が劣っているのならば・・・わざわざ牧草地と牧場の距離を取る必要はないと思うので・・・やはり、トウモロコシや高粱なのか・・・放牧だと・・・牛1頭当たり1か月に15aぐらい・・・牧草は2か月ほどで伸びるだろうから・・・ニュートン算ってやつの問題ですね。

 食糧不足なら・・・トウモロコシや高粱の実は人間様用に、茎や葉は粉砕してサイレージか?まあ、トウモロコシは粗放栽培が可能だから・・・ハーベスタ・・・トウモロコシの青刈り用のハーベスターは知ってますが・・・にわか勉強を・・・

 トウモロコシの実を収穫するための雌穗収穫専用のコーンヘッダとかスナッパヘッドと呼ばれるものがある。こいつを、飼料用の破砕処理装置を内蔵した自走式フォレージハーベスタに装着して、トウモロコシの実・・・トウモロコの雌穗とかイアコーンって、業界用語か・・・を収穫し、かつ飼料をこしらえる・・・ふむ。

 私が、飼料用のハーベスターしか持っていない、食料不足の国の指導者なら・・・人間は農業をしなければならない!なぜならば、生きるための根幹であるからだ!さあ、軽い農作業をしよう!そして、収穫を分かち合おう!というスローガンを掲げます。次に・・・さあ、君たちも収穫の喜びを体験しよう!・・・都市の住民に呼びかけ無理やり?食糧が不足しているなら喜んで?参加するでありましょう。

 さあ、ここが農園だ、素晴らしい収穫が待っている、この背負いかごを担げ、そしてトウモロコシを収穫せよ。さあ、まずは2籠収穫して、あそこの倉庫に納めよ、それが終わったら。そちらの金色の籠を受け取って収穫し、宿舎の部屋の前の倉庫へ入れよ!さあ、収穫の喜びを分かち合おう!

 さあ、1週間の作業が終わった、沢山の収穫があった。それでは、街へ帰ろう・・・

 なあ、宿舎の前の倉庫のトウモロコシはどうなるんだ?あれって、自分用じゃないのか?

 収穫したトウモロコシは全て、君たちのものだ!後で、製粉してその各々に配給されるであろう。ご苦労だった。祖国に栄光あれ!

 ああ、またやられた・・・特配はあるのかな?ずいぶんと沢山働いたような気がする・・・収穫の喜びを分かち合っただけか・・・

 これが、非常に合理的?まあ、労働期間中は良い飯を食わせればそれなりに働くでしょう。そして、行き帰りにはそれなりの栄光ある祖国の観光を楽しませるとか・・・観光も飢えさせれば効果抜群では?

 独裁国家が安定するためには・・・多分、情報操作によって価値観の刷り込みを行えばよいのでしょう。分かち合う、収穫の喜び、お褒めの言葉・・・無形のありがたい言葉に満ちた世界・・・

 国家は君の父親であり、母親である。国家なくしては君は生きて行けないし、生まれることすらできないのである・・・これを国民に信じさせることができれば、独裁者になれますね。国家は国民の総意によって成り立つ・・・これを信じれば、独裁国家にならずに済むかもしれません。しかし・・・独裁国家で信じてしまった人は異端者として粛清されます。

 人間が困るのは、「人はパンのみにて生くるにあらず。」の前に、パンがないと死んじゃうんです。パンがない人にはこの箴言は無力、パンを得て初めてその欲望が生まれます。その欲望を正しく(国家や属する団体の都合の良いように)処理するために、さまざまな行為規範・徳目・スローガンがあるわけですからね。その意味では、かの国はとりあえず、うまく行っていると言わざるを得ないか・・・

 さて、国家と個人をちょっと考えさせられるサンプルが・・・ある自由主義の国のある農園、多分酪農農家、国が区画割りしたところへ入った農家でしょう。

 国家は計画的ですが、個人は計画的であったり無計画であったり、他人の計画に準じて行動したりします。さあ、どの農園の佇まいが好きか?私は下の段の中ほどの、敷地の形とは関係なく斜めに建物を構えているのが好きです。

 敷地にきちんと沿わせて建てられたものは、それなりに美しく見える・・・左3軒は微妙に斜めになっています。色合いの統一という面では、下の段の斜めになっている所が、シックに見えます。

 国家は計画の都合上か、何かの考えがあってこの土地区画を作りだしました。しかし、この区割りは地図の経線や緯線に沿っていなくてね。正しく南向きの建物を作っているのが下の段の真ん中の家なんです。国家のポリシーとは違いますが、この農園主のポリシーがそうさせたのでしょう。

 座標は確認していませんから・・・ここはどこだか、もう分かりません。しかし、この農園主に会ってみたい気もします。

 あれあれ、都市部の方が見るものがあり、資料も豊富なんで、風景ばかりの場所だと余計なことばかり考えることになるようです。

(2012.11.30)

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